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104.絆を信じて


「てめーら遅ぇぞ!!」



眩い光の中から、獄寺さんの怒鳴り声が聞こえて来る。どうやらそれは、遅れて神社にやって来た、山本さんと雲雀さんに向けられたものらしく、



「わりー、わりー♪」



素直に謝罪する山本さんの声も耳に届いて来た。しかし、そんな山本さんとは対照的なのが、我が道を歩く雲雀さんだ。



「…僕は個人として来てるんだ。彼女は別としても君達とは関係ないよ」

「ちっ」



何一つ変わない、何時も通りのボンゴレファミリー。それが嬉しくて、私は小さく笑みを零す。



「歌姫…嬉しそうだな」

「嗚呼」



そんな私の姿を傍で見ていた入江さんとスパナさんは、顔を見合わせ、口元を綻(ほころ)ばせた。

けれど喜びを感じられたのは束の間の間だけ。吹き飛ばした筈の白蘭の顔が再び転送システムの前に現れ、彼は笑顔を浮かべてこう告げたのだ。


――“合格だよ”と。


そして、早速チョイスを始めようと宣言する。

直後、白蘭の傍から何かがこちらに向かって降りて来るのが見え、私はじっと目を凝らした。良く見ると、それはトランプの形をした無数のカードのような物で、しかも、そのカードは規則正しい列を作りながら私達の周りを取り囲んでしまう。



『先ずはフィールドのチョイスをするんだけど、君達の、その素晴らしい炎を称えて、フィールドのチョイス権は君達にあげよう。正チャンからルールは聞いてるだろ?』



チョイスとは選択のゲーム。戦うフィールドと戦士を最初にチョイスしなければ始まらない。人の持つ運命によって…。



『さあ、そのカードを1枚引くんだ、綱吉クン。それが君自身の選択』



つまり“チョイス”。



「し、しかしっ、敵の作ったカードでは…!!」



ジャンニーニが不安げに口を挟んだけれど、「白蘭さんはチョイスでだけは不正をしない」と言う入江さんの言葉を信じて、沢田さんは決断する。



「チョイスしよう」



そう言って目の前のカードに手を伸ばした沢田さん。彼が引いたのは…。


“雷のカード”


それが良い事なのか、悪い事なのか私達には分からないけれど、これが沢田さんの選択した運命。私達は、その運命を信じて着いて行くだけだ。



『じゃあ行こう。…でもその前に――今回の景品を回収しなきゃ♪』


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あきゅろす。
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