『でもタイムオーバー。これで名前は僕の物だ』
「いいや、名前さんは渡さない!!だって二人は」
――“必ず来るから”
そう宣言した直後、私達を挟む形で、両脇から二色の炎が燃え上がった。
「…何してるの、君達」
「よ、待たせたな♪」
炎と同時に現れたのは全員が待ちわびていた山本さんと雲雀さん。二人の姿を確認した守護者達が一斉にボスの名を呼ぶ。
「10代目!!」
「沢田!」
「ボス!!」
仲間達に促され、大きく頷く沢田さん。その手には、橙色のボンゴレ匣が握り締められていた。
「よ、よし!!今だっ、ボンゴレ匣――開匣!」
彼の言葉が合図となって、次々にボンゴレ匣に炎が注ぎ込まれて行く。刹那、並盛神社が凄まじい光に包み込まれ、開け放たれた7つの匣から光が放射された。その光は一筋の線を作りながら、白蘭めがけて舞い上がり。
『あれ?こんな事って』
神社の上空に漂っていたどす黒い雲を、白蘭の顔ごと吹き飛ばしてしまったのだ。消えた雲の向こう側から、超炎リング転送システムが姿を現す。
転送システムの真の姿を目にした私と入江さんは、言葉なく空を見上げていた。すると、そんな私達にスパナさんが一言。
「二人共、あの数値っ」
私と入江さんは互いに顔を見合わせ、転送システムの前に掲示された炎の数値に目を向ける。そこに記されていたのは…。
“1000万FV”の文字。
今度こそ、私達は本当に言葉を失った。まさかこんな……事って…。私は背後の仲間を振り返る。
眩い光を放ちながら、新たに手にした力(アニマル匣)を従え、颯爽と佇む、7人の守護者達。
「やはり僕は間違っていなかった。彼らをこの世界に連れて来たのは間違っていなかったんだ」
同じように彼らを振り返った入江さんが、自信に満ちた表情で言い放つ。
「彼らこそ、白蘭さんに対抗する“唯一の光”」
世界を救う希望の光。
掴み取ったチケット
(――若き10代目・ボンゴレファミリー!!)
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