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103.掴み取ったチケット ***


『これは君達をチョイスの舞台へと連れて行く超炎リング転送システム』



超炎リング転送システム。それはメローネ基地を一瞬で移動させた装置の名前だ。その威力は私達も一度目にしている。



「つまり、戦場は並盛じゃねーんだな?」

『うん。その通りだよ、アルコバレーノ・リボーン♪……但し知っての通り、この装置はただでは作動しなくてね。だから君達に今日のチョイスに参加する資格があるか試す役割も兼ねてるんだ』

「参加する…資格?」



訝しげな顔をする沢田さん達に白蘭は告げる。



『ずばり――“500万FV!”それが、君達をチョイスの舞台へ転送する為に必要な炎圧なんだ』



何でもない事のように白蘭は言うが、500万FVと言ったら、沢田さんの技である“X BURNER・20発分の炎圧と同じ。そんな凄まじい量の炎圧、簡単に用意できる訳がない。



『脅かす訳じゃないけど、もし出来なかったら名前チャンは僕の物♪……それに、僕は君達に失望して、この町を――』



刹那、白蘭の目がカッと見開かれ、その目が妖しい光を帯びた。そして。



『こうしちゃうかもね』



並盛の北山に向かって目から光線を放ったのだ。その光線は一直線に北山に直撃し、瞬く間に真っ赤な炎が燃え上がる。



『おっと、ごめんごめん。顔が滑っちゃった♪』



炎の上がる北山を見つめながら、私は両手で口元を押さえ、愕然とする。こんな…こんな事……人間のする事じゃない。



『さあ、早く炎を絞り出してごらんよ。……約束の12時まで、あと少ししかないんだからさ♪』



タイムリミットは白蘭から照射される光がなくなるまで。そう告げた直後、私達を覆う光がどんどん狭まって行く。それも物凄いスピードで…だ。



『さあ、おいでってば』



しかし、沢田さんは動く事が出来ないでいた。



『どうしたの?ビビっちゃった??』

「だ、だって、まだ全員揃ってないし…っ」

『へえ。ルールを重んじてくれるのは嬉しいな〜♪―――でも、僕には500万FVを出せない言い訳に聞こえるけど??』



白蘭から照射される光は、既に沢田さんだけにしか当たっていない。しかし、我らのボスは決して諦めてはいなかった。



「――きっと…、きっと来てくれる!!」


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あきゅろす。
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