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103.掴み取ったチケット **


二人の無事を信じ、私が祈るように両手を組んだ、その時だった。スパナさんの持参したパソコンに異変が起きたのは…。


ピピピピピピピピッ。


忙しなく響く機械音に全員の視線が集中する。



「何があったんだ!!」

「正一っ、死ぬ気の炎が接近している!しかも異様なスピードだ!!!!」

「なんだって!?」



焦る入江さん。その横でスパナさんの顔色はどんどん青くなって行き、



「…可笑しいぞ。とっくにウチらの位置と重なって――、……上っっ」



その言葉に促されるように私達は上空を見上げた。そして、目を見張る。



「な、何だ!!??」



並盛神社の真上。そこには、まるで雷雲のような、どす黒い雲が渦を巻いて漂っていたのだ。

大き過ぎるその雲を見上げながら呆然と立ち尽くす私達。直後、雲から一筋の光が降り注いで、私達を明るく照らし…。



『やあ、諸君♪』

「んなぁあ!!??」




どす黒い雲の中心部。そこに“ある人物”の顔が浮かび上がって沢田さんは目を開いて驚愕した。



「び、白蘭ー!!??」



そう。雲の中心部に浮かんでいたのは間違いなく私達の宿敵・白蘭の顔。



「幻覚か!!」

「…違うと思う」



獄寺さんの問いにクロームさんが答える。――と、スパナさんが呟いた。



「金属反応がある。あれは“巨大な装置”だ」

「装置?あれが!?」

「落ち着くんだ、皆!あれは顔の形をしたアドバルーンのような物だっ」



ミルフィオーレの科学力なら不可能ではない…と入江さんは力説するが、これは既に、マフィアの領域を越えている!!

突如出現した白蘭の顔によって、ザワザワと騒がしくなるボンゴレファミリー。そんな私達を見て、白蘭は顔を傾げた。



『…あれれ?全員連れて来いと言ったのに、連れて来てないね』

「え!!そ、それは…っ」

「まあ良いか。本番で困るのは君達だからね♪」



愉快そうに笑う白蘭に、今度は入江さんが問う。



「白蘭さんこそルール違反だ!チョイスに使う基地ユニットとしては、その装置は大き過ぎる!!」

『早とちり直ってないな〜、正チャン♪……これはやっと完成した“新しい移動手段”なんだ』



それって、まさか――。


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