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102.決戦の日 ***


「戦いに勝ち、そして名前を守り切れ。白蘭の野郎に、その指一本すらも触れさせんじゃねーぞ」



リボーンの言葉に、綱吉はぎゅっと拳を握り締める。そして名前を振り返り、大きく頷いた。



「うん。分かった」



勿論、リボーンの言葉に頷いたのは綱吉だけではない。獄寺・了平・ランボ・クローム。ボンゴレを守護する者達、全員が綱吉と心を共にする。



「はい!!」

「任せておけ!」

「やるもんね!!」

「…ん…(コクリ)」



全員の心が一つになったのを確認した後、入江は改めて、今回の戦いの重要性を語り始める。



「前にも言った通り、ボンゴレリング・マーレリング・7つのおしゃぶりからなる“73”が白蘭さんの手に渡れば、歌姫の身体に眠る“大地の匣”の封印は解かれ、この世は大変な事になる」



白蘭を倒す事が世界を救う事になると、入江は力説した。けれど『世界を救う』何て、そんな次元の違う話をされても、綱吉達にはピンと来ない。

それを理解しているリボーンは平然と告げる。



「お前達は世界の事なんて考えなくても良いぞ」

「ええ!!??」

「言っただろ?お前らは名前の為に。そして10年前の平和な並盛に戻る為に――この戦いに勝て」



力強いリボーンの言葉に「それなら」と、守護者達は再び大きく頷いた。

しかし、綱吉だけは顔色が優れない。どうしたのかと名前が訊ねるが、綱吉は「何でもない」と首を横に振るだけだった。




◇ ◇ ◇


「よし。準備できたな」



リボーンの問いかけに綱吉は無言で頷く。そして、背後に控える仲間達を振り返り、一人ずつ、名前を呼び始めた。

獄寺・了平・ランボ・クローム・バジル・フゥ太・ビアンキ・イーピン・ジャンニーニ・正一・スパナ・京子・ハル。

そして――名前。



「………」



名前の名を口にした瞬間、ズキリと胸に痛みが走る。けれど、その痛みに気付かぬ振りをして、綱吉は前を見据えた。



「――行こう」

『おお!!!!』



決戦の日


(その手に勝利を勝ち取る為に、ボンゴレファミリーは戦地へと旅立つ)


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