「戦いに勝ち、そして名前を守り切れ。白蘭の野郎に、その指一本すらも触れさせんじゃねーぞ」
リボーンの言葉に、綱吉はぎゅっと拳を握り締める。そして名前を振り返り、大きく頷いた。
「うん。分かった」
勿論、リボーンの言葉に頷いたのは綱吉だけではない。獄寺・了平・ランボ・クローム。ボンゴレを守護する者達、全員が綱吉と心を共にする。
「はい!!」
「任せておけ!」
「やるもんね!!」
「…ん…(コクリ)」
全員の心が一つになったのを確認した後、入江は改めて、今回の戦いの重要性を語り始める。
「前にも言った通り、ボンゴレリング・マーレリング・7つのおしゃぶりからなる“73”が白蘭さんの手に渡れば、歌姫の身体に眠る“大地の匣”の封印は解かれ、この世は大変な事になる」
白蘭を倒す事が世界を救う事になると、入江は力説した。けれど『世界を救う』何て、そんな次元の違う話をされても、綱吉達にはピンと来ない。
それを理解しているリボーンは平然と告げる。
「お前達は世界の事なんて考えなくても良いぞ」
「ええ!!??」
「言っただろ?お前らは名前の為に。そして10年前の平和な並盛に戻る為に――この戦いに勝て」
力強いリボーンの言葉に「それなら」と、守護者達は再び大きく頷いた。
しかし、綱吉だけは顔色が優れない。どうしたのかと名前が訊ねるが、綱吉は「何でもない」と首を横に振るだけだった。
◇ ◇ ◇
「よし。準備できたな」
リボーンの問いかけに綱吉は無言で頷く。そして、背後に控える仲間達を振り返り、一人ずつ、名前を呼び始めた。
獄寺・了平・ランボ・クローム・バジル・フゥ太・ビアンキ・イーピン・ジャンニーニ・正一・スパナ・京子・ハル。
そして――名前。
「………」
名前の名を口にした瞬間、ズキリと胸に痛みが走る。けれど、その痛みに気付かぬ振りをして、綱吉は前を見据えた。
「――行こう」
『おお!!!!』
決戦の日
(その手に勝利を勝ち取る為に、ボンゴレファミリーは戦地へと旅立つ)
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