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100.告白の時 ***


そう。これが私の出した答え。ボンゴレ基地を飛び出し、雲雀さん達の居る並中の屋上を訪れた=つはりはどちらの側にも付かないと言う事だ。



「私にはどちらに付くか何て決められません」



――だって、きっと誰よりも双方の気持ちが分かるのは私だと思うから。

沢田さん達が入れ替わるまで、私は京子さん達と同じ立場にあった。だからこそ『話して欲しい』と言う彼女達の気持ちは痛いほど良く分かる。

けれど、真実を知る側に立った今。今なら『関わらせたくない』と言う皆の気持ちも分かるのだ。



(真実を知ればきっと京子さん達は傷つくもの)



真実を知った所為で二人の顔が悲しみに歪む所など、誰が見たいと思うだろうか。沢田さん達だってそれは同じの筈。だからこそ、二人には何も話さぬまま、全てを終わらせようとしているのだ。



「お前も辛い立場に居るんだな。名前」



こちらの心情を察知したディーノさんが、私の頭をふわりと撫でる。



「兎に角、事情は分かった。あっちが収まるまで此処に居ろよ。…恭弥も名前なら許すだろ」

「…許すも何も、貴女は並中の所有物なんだから、今だけと言わず、ずっと此処に居れば良いよ」

「あ、ありがとうございます……雲雀さん」



凄い事を言われた気もするが、取り敢えず良かった。雲雀さんのお許しが出て。ここ以外に行く当てなどないから、断られたらどうしようかと思っていたし。ホッと息を吐く私を見て、再び苦笑を浮かべるディーノさん。



「何だよ、名前。安心した顔して…。まさか断られると思ってたのか?」

「…少し。雲雀さんも修行の最中だと聞いていましたし、お邪魔になるのではないかと心配で」

「平気だって。名前がいても修行はちゃんと出来るさ。な?恭弥」

「…何言ってるの?今日は貴方と戦わないよ」

『は?/え?』



見事に重なる私とディーノさんの声。しかもその現象を作り出した張本人は、しれっとした顔で私の傍へ歩み寄ると…。



「ひ、雲雀さん!?」

「恭弥!!何して…っ」



私の膝を枕に、その場に寝転んでしまったのだ。


「…今日は一日、彼女の歌を聴きながら眠る事にしたんだ。だから邪魔……しないでくれる?」

「おいおい、勝手に決めるなって!それに時間だってないんだぞ、恭弥」


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