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99.修行開始 ****


「白蘭を倒すには、守護者全員の力が必要だ」



そう言って…。

本当にランボ君まで戦わせなければならないのだろうか。まだ幼く何も分かっていないあの子を。



「俺はこの時代のツナに聞いて、ボンゴレ匣の事は多少は知ってる」



――さっき話した『匣自身が名前を守ろうとした』ってのもその一つだ。



「そこから考えて、それぞれに違う修行をして貰うつもりだ。ちなみに雲雀恭弥は俺との修行をもう開始させている。修行の度に『名前を連れて来い』って煩いけどな」

「私を?」

「嗚呼。お前の歌う校歌が聞きたいんだとさ」



それはそれは考えもしなかった申し出だ。そこまで雲雀さんに気に入って貰えた何て凄く嬉しい。



「じゃあ話を戻す。先ずは沢田綱吉。お前から修行内容を言っていくぞ」

「は、はい!」



背筋を正し、ゴクリと喉を鳴らす沢田さん。けれどディーノさんに告げられた修行内容を聞き、



「お前は匣を正しく開匣できるまで…一人だ」



ぎょっと目を見開く。



「ええ!!一人って……ひとりぼっち!?」

「と言っても匣兵器と一緒だぜ。匣にトラブルが起きた時は使い手がずっと一緒にいてやる事だ」

「それだけ、ですか!?」

「今のがヒントだ」



――次に獄寺隼人。



「お前は匣初心者である笹川了平と、ランボの面倒を見てくれ」

「Σなにぃ!!??」




獄寺さんが二人の面倒を?それはつまり彼が二人の“家庭教師代わり”を務めるという事で…。



「ぜっってー…断っ」

「凄いですね獄寺さん」

「Σは、はあ!!??」

「だってもう教える立場なんて本当に凄いです」



ニコリと笑みを向けてそう告げると、獄寺さんは一瞬だけ「ぐ」と言葉に詰まったようだった。けれどその後、直ぐにふいっと顔を背けてしまう。

――私、何か気に触る事を言ってしまったかな?



「次にクローム髑髏。お前は匣兵器強化の為にも、半分の時間をアルコバレーノ・マーモンの残した幻覚強化プログラムで修行し、残りの時間を格闘能力UPに使うんだ」



あそこの二人に手伝って貰って…。そう言ってディーノさんが視線を向けた先には、ビアンキさんとイーピンちゃんの姿。

成る程。だから二人もこの場に呼ばれたのか。



「そして、山本武」

「ウス!待ってたぜディーノさん。何やんの?」



幻騎士戦の事もあって彼の事は気にしていたのだけど、何時も通りの笑顔を見せる山本さんに、私は少しだけほっとする。

ただ無理をしていないか、それだけが心配だ。



「お前はパスだ。待機」

「え?」



今回の修行で始めての待機命令に、親指を立てる獄寺さん以外は、キョトンと瞳を丸くする。



「つーか、お前には手出せねーんだ。お前に下手な事を教えればアイツにぶっ飛ばされるからな」



更に疑問符を浮かべる山本さんにディーノさんが告げたのはこんな台詞。



修行開始


(お前の才能の一番の理解者はマジだぜ。今回の修行で山本武。お前はすげー事になるかもな)


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