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99.修行開始 ***


「宜しくな」

「へなちょこのアイツになんか、家庭教師が務まるんスかねー…」

「で、でもディーノさん部下の前だと凄いしι」



本人を前にしても獄寺さんの毒舌は相変わらずだな、何て苦笑を浮かべていた時、上空にピカリと光る何かを発見した。

なんだろう?小首を傾げる私の前に、その何かはゆっくりと舞い降り、



「ちなみに、今回オレはディーノの上の役職・家庭教師の精…だからな」



瞬間、その何かはリボーンさんの変装だと判明。しかも今回は妖精さんの衣装(※帽子はレオンの変身)を着用している。



「ディーノがヘボイ時は、オレが制裁を下すから安心しろ!!」



言うなりリボーンさんは、ワイヤーで吊った身体を器用に揺らし、ディーノさんの元へ飛んで行くと、ドガガガ!彼の頬に見事な蹴りをお見舞い。

その攻撃には流石のディーノさんもタジタジだ。



「Σいででで!止めろってリボー…ブフッ」

「んじゃ、また何かあったら降りて来るからな」



そう言い残し、再び上空へと消えていくリボーンさん…ではなく、家庭教師の精。私はクスクスと笑みを零しながら、蹴られた頬を押さえるディーノさんを見つめていた。



「…て事で始めるが、その前にクローム。意志確認だ。お前はボンゴレ守護者であると同時に骸の一味でもある。俺達はお前の事を、ミルフィオーレとの戦いでは味方として数えて良いのか?」



“骸の一味”。ディーノさんの発した言葉に、その場の全員の視線がクロームさんへと注がれた。

前に何時だったか、骸さんに言われた事がある。『ボンゴレを仲間だと思った事は一度もない』と…。その考えは今でも変わらないだろうし、彼の考えを優先するクロームさんも、また然りの筈。

だからクロームさんが『拒否』するのなら、私達はそれを受け入れなければならない。だって彼女の考えは彼女のものだから。誰にも否定する事は出来ないし、曲げる事だって出来る訳がない。



「………」



暫しの沈黙が流れ、皆が彼女の答えを待っていた。そして彼女は告げる。



「私……、もっとちゃんとして強い人になりたい。それが…それが過去に帰る事や、名前を守る事に繋がると思うから」



強く、真っ直ぐな瞳で。

それを見たディーノさんは、ふっと口元を緩めて「頼んだぜ」と声を掛る。そして、ランボ君にも本格的な修行をして貰うと付け加えたのだ。


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あきゅろす。
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