――それは、本当に突然の出来事だった。
ドオオオン!!
穏やかな夕暮れ時。突如、地下アジト内に響き渡った、けたたましい爆発音。各自、自由行動をしていた獄寺、山本、了平、バジルの4名は、その音を聞きつけ、慌てて廊下へと飛び出した。
「何だよ、今の!!?」
「知るかよっっ」
「沢田殿の部屋の方です!」
「何の騒ぎ――ぬお!!」
4人が駆けつけた瞬間、綱吉の部屋で、再び凄まじい爆発が起こる。それを目にした山本が青ざめた顔で声を上げた。
「――ば、爆発!これって、敵の攻撃か!?」
「待って下さい!」
しかし、落ち着いた様子のバジルがそれを制する。彼には思い当たる節があったのだ。それは爆発が起こった際に、一瞬だけ見えた“橙色の炎”。
「今のは…」
半信半疑で綱吉の部屋を覗き込む。そして、立ち込める爆煙が晴れた瞬間、4人の目に飛び込んで来たのは――!!
「何だ、あれは!!?」
この世の生物とは思えない怪物が、綱吉に襲いかかっている光景だった。
◇ ◇ ◇
大空のボンゴレ匣を開匣した刹那、中から飛び出して来たのは、武器でも動物でもない…恐ろしい“怪物”のようなもの。
――しかもコイツ、
(オレを殺す気だ!!)
咄嗟に超(ハイパー)化し、襲いかかって来る怪物の口を押さえて応戦した綱吉は、そう直感する。
そんな綱吉の足下には、力なく座り込む名前の姿。さっきの爆発で怪我をしたのかも知れない。
(早く名前を非難させなければ…っっ)
けれど目の前の相手はそれを許してくれないだろう。くそ、どうすれば!
「10代目!!」
「ツナ!」
そんな時、綱吉の耳に仲間の声が届く。地獄に仏とは正にこの事だ。綱吉は即座に声を上げた。
「みんなっ、名前を連れて下がってくれ!」
「な、名前ですって!?」
綱吉の声に反応した獄寺が慌てて視線を下ろすと、彼の足下には開匣されたボンゴレ匣と、右腕を押さえながら床に座り込む名前の姿があって…。
「何で名前が此処に!?――それにあれは、10代目の匣兵器なのか!?」
「そんな事は後だ、タコ頭!今は一刻も早く名字を非難させなければっ」
「先輩の言う通りだ!」
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