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96.第一関門 ***


「え?」



突然、リボーンさんに話を振られて、私はキョトンと瞳を丸くする。けれど二人が優秀な技術者である事は間違いない。だから私は、目の前に座るジャンニーニさんと、そのジャンニーニさん越しに見えるモニターのスパナさんに笑顔を向けた。



「そうですね。お二人が力を貸して下さるのなら、とても心強いです」



Σバリバリーン!!

刹那、二人の頭上に目には見えない雷が落ちる。それを見たリボーンさんはニヤリと口元を緩め、



「(フッ)――と、オレ達の姫はこう言ってるが……どうだ?二人とも」

「と、当然ですよ!天才ジャンニーニ。スパナより優れた解決方法を考えてみせますとも!!」



――あ、あれ?



『ウチだってジャンニーニより良いアイデアを考える。安心しろ歌姫』



――あれあれ?私は二人で協力して、今回の難題を乗り越えて下さいと言ったつもりなのだけど。


バチバチバチ。


ジャンニーニさんとスパナさんの間には、激しく火花が飛び交っていて。



(これは一体??)



パチクリと瞬きを繰り返す私に、当事者であるリボーンさんが一言。



「名前も案外小悪魔だな」

「へ?」

「Σお前が名前さんに言わせたんだろー!!」



そんなリボーンさんに、何時もの如く沢田さんの鋭い突っ込みが入った事は…言うまでもない。










◇ ◇ ◇


難航すると思われた機動力の問題。それは優秀な技術者によって意外に早く解決する事となる。

現在私達は、ジャンニーニさんによって、一度も訪れた事のない階を案内されている真っ最中だ。

一体何処まで向かうのか疑問を感じた矢先に、ジャンニーニさんが「こちらです」と足を止めた。

そして何を思ったのか、突然メジャーを取り出し、沢田さんの股下を測り始めたのだ。おまけに、



「やはり短いですね、足」

「な、何なの一体!!//」



失礼な一言まで付け足して。その場にいた全員が益々分からない、と顔を見合わせた次の瞬間、


ゴオオオオ!!


ジャンニーニさんの消えた部屋の中から、物凄い騒音が響いて来たのだ。



「鼓膜が破れそうです」



余りの爆音に耐えきれず、私は咄嗟に耳を塞ぐ。

そして、恐る恐る部屋の中を覗き込んだ瞬間、私達の目に飛び込んで来たのは――この時代の沢田さんが集めていたという、一台のバイクだった。



第一関門


(これで機動力の問題は何とか解決しそうだな)


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あきゅろす。
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