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96.第一関門 **


入江さんの話を聞く限り、本来ゲームである筈のチョイスを現実にやろうだ何て無謀な話だ。というより出来る訳がない。

私の問いかけに、入江さんは再び口を閉ざした。恐らく、彼も私と同じ意見を持っている筈。けれど、白蘭さんならあるいは…!という考えが拭い切れないのだろう。



『――もし、本当にチョイスを現実にやると仮定した場合、兵士ユニットとなるのは、リングと匣で武装した綱吉君達だ』



その兵士ユニットの数は開戦前に、それぞれ話し合いなどでチョイスされ――もし、チョイスされたユニットの数が揃わなければ、その時点で負けになると入江さんは言う。例えば、兵士を5人用意しなければならないのに、一方が4人しか揃えられなかった場合だ。



『そして、フィールドの場所も戦闘前にチョイスする。――ただし、フィールドの広さは直径10qと決められている』

「10qだと!?」

「ひれーのな」

「ボクシングのリングだとすると極限の広さだ」



驚愕する獄寺さん、山本さん、笹川さんの3人。



『基地ユニットは50立方メート以下であれば、自分の軍の資金で作り、使用する事が出来るんだ』

「まさに、戦いで言う所の“局地戦”を再現して行う感じだな」

『その通りだね、リボーンさん。――そして問題は、宿泊施設であり、時には攻撃要塞ともなる基地ユニットが、僕らにはないって事なんだ』

「ま、まさかっ、実際に現物で基地を用意しろって言うんですか!?」



入江さんの提示した問題に、最初に声を上げたのはジャンニーニさんだ。



『…僕も何度も考えてみたんだけど、そう考えるのが自然だよ』

「そんな事、急に言われても無茶ですよ!人手も時間も足りませんっ」

『それに正一。10qって相当広い。機動力のある兵器が欲しい所だな』



おまけにスパナさんまで話に加わり、更に問題が悪化して行く始末。



「基地ユニットは……作れねー」

「機動力もないぞ!」

「入江!てめー、どうするつもりだ…っっ」



山本さん、笹川さん、獄寺さんの指摘に入江さんは一瞬言葉に詰まった。それから『だから困ってるんじゃないかー』とお腹を押さえて叫び出す。



『僕だって考える度に冷や汗ザーザーだよ!』

「まあ落ち着け。此処にはボンゴレの天才発明家と、元ミルフィオーレの天才メカニックがいるんだ。きっと優秀な方が何とかしてくれるぞ。名前、お前もそう思うだろ」


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