「全員揃ったな」
次の日。リボーンさんに呼ばれて、私達は指令室へと集合していた。彼の話によると、これから入江さんがチョイスの説明をしてくれるのだとか。
ミルフィオーレとの、最後の戦いになる筈のチョイスとは、一体どんなものなのだろう?全く検討がつかないから、話を聞くのは少し緊張する。
「入江、始めて良いぞ」
『嗚呼。分かったよ』
そう言って返事を返した入江さんは、現在もメローネ基地跡に滞在中らしく、通信を使って会議に参加するみたい。モニターに映る彼の隣には、スパナさんの姿も見える。
『リボーンさんには既に説明してあるんだけど、チョイスとは、学生時代に僕と白蘭さんが作ったウォーゲームの一種だ』
あらゆる事を選択――つまりチョイスして戦う。故に名を“チョイス”
『プレイヤーは二つの軍に別れて戦場となるフィールドをチョイスし、それぞれ兵士ユニットをチョイスしチームを作る』
入江さんの話に合わせて、目の前のモニターにある映像が映し出された。チョイスを分かり易くCG化したものらしい。
『本陣となる基地ユニットとその位置をチョイスし、戦闘を行い、勝敗をつける』
――勝者は報酬として、敗者の所有物から欲しい物を何でも一つチョイスして、奪う事が出来る。
『そんなゲームだよ』
「何つーか、思ったよりシンプルっスね」
「うむ。オレでも理解できたぞ!!」
『ま、まぁね。元々僕と白蘭さんが暇潰しで作ったボードゲームだから』
山本さんと笹川さんの率直な意見に、入江さんは苦笑を浮かべて答えた。
『と、ところが、僕がのめり込んでしまい、出来る事や設定を増やした為に、コンピューターゲームになって、更に自由度を上げてアップデートしていった結果――ι』
ゲーム末期には、巨大要塞がディスプレイの中を走り回ったりしていた……かな…。入江さんは言い難そうに付け足す。
それは幾ら何でも、のめり込み過ぎと言うもの!
「ケッ。趣味わりーな」
これまた率直な意見を述べたのは獄寺さん。それには『僕も若かったんだよ//』と、流石に入江さんも慌て気味だった。
「あ、あの入江さん。白蘭さんは『現実にそのチョイスをやる』と言っていましたが、それはどう考えたら良いのですか」
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