『Aランクが100人!!?Aランクは今まで6弔花しか居なかった筈だ!』
スパナさんが叫ぶ。
『僕らを倒したら今度こそ君達の勝利だ。ミルフィオーレはボンゴレに全面降伏するよ。勿論名前チャンの事も諦める』
そう言って穏やかに微笑む白蘭。けれどその笑顔が更に恐怖を煽り、私はビクリと肩を揺らした。
すると、そんな私を白蘭から遮るように、入江さんが前へと進み出る。
「白蘭さんっ、力比べって、一体何を企んでいるんですか!!」
『昔、正チャンとやった“チョイス”って遊びを覚えてるかい?あれを現実にやるつもりだよ♪』
チョイス?聞き慣れない単語に私は首を傾げた。
『細かい事は10日後に発表するつもりだから楽しみにしててね♪…それまで一切手は出さないから、のんびり休むと良い』
「無茶いうな。…あんな怪物みせられて、のんびり出来る訳ねーだろ」
『お、君はアルコバレーノ・リボーン♪う〜ん、もっと話したいな。でもそろそろ時間だし…』
意味深な言葉を白蘭が呟い直後、彼の身体がほのかに光りを放ち出す。
今度は何が起きるのか。混乱する私達を余所に白蘭は平然とした顔で…
『君達のいるメローネ基地はもう直ぐ消えるからさ。…正しくは基地に仕込まれた“超炎リング転送システム”によって移動するんだけどね♪』
と説明を加えた。移動?つまり、この基地ごと何処かへ飛ばすと言うの!
『呉々も名前チャンに怪我させないように…。彼女は僕の大事な花嫁さん何だから♪じゃあ楽しみにしてるね、10日後』
白蘭から放たれる眩い光が更に輝きを増し、私達全員を飲み込んで行く。直後、大きな揺れが基地内を襲って――。
全『うわあああああ』
私達は、その場に倒れ込んだのだった。
◇ ◇ ◇
一体何が起こったのか、全く分からなかった。
けれど身体を起こし、顔を上げた瞬間、私は愕然とする。何故なら今まであった筈のメローネ基地が、跡形もなく消え失せていたから。勿論、沢田さん達も驚愕している。
「ほ、本当に“テレポーテーション”何て…」
「これが白蘭さんの力」
「でも入江さん、基地は消えたのに何でオレ達だけ残れたんですか!」
「それは――“彼”が晴のボンゴレリングと共に来たからさ」
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