入江さん。突っ込む所は、そこではないです。
「………」
あ、あの、違うと言う事は自分が一番分かっているので、そんな見極めるような目で見るのは止めて下さい…雲雀さん///
◇ ◇ ◇
それから暫く私談義(?)が続いて、ようやく収拾がつきかけた頃、ボンゴレ基地に動きがあった。
「たった今、イタリアの主力戦の情報が入ったぞ。――XANXUSが敵の大将を倒したらしい」
リボーンさんの知らせに、辺りは一瞬でざわめき出す。XANXUSさんが。ヴァリアーが……勝った。
「まじっスか!!」
「流石ですね!」
獄寺さんや草壁さんが歓喜の声を上げるが、入江さんの表情は優れない。
「折角のニュースに水を差すようだが、喜ぶのはまだ早いな。……大将をうっても兵力には圧倒的な差がある。ミルフィオーレが新しい大将をたてて長期戦になれば…」
「心配はねーぞ。敵は撤退をし始めたそうだ」
「――て、事は……勝利じゃないか!!」
けれど撤退の報告を聞いた途端に「これならいける!ボンゴレの戦力は想像以上だ!」と大喜び。
入江さんが安堵すると言う事は、こちらの作戦が本当に成功したと言う事なのだろう。それが分かり、再び歓喜の声を上げる私達。辺りが喜び一色に包まれた、その瞬間。
『――いいや。ただの小休止だよ…』
突如メローネ基地に響いた男の声。私はビクリと身体を硬直させた。だって、この声には嫌と言うほど聞き覚えがある。
『イタリアの主力戦も、日本のメローネ基地もすんごい楽しかった♪』
ふふ、という笑い声と共に目の前にフォログラムが出現。そこに映っていたのは紛れもなく、何度も私を絶望の底へと叩き落とした“宿敵”の姿。
「白蘭さん!?」
「こ、こいつが…」
沢田さん達も初めて目にする白蘭の姿に驚き、動揺しているようだった。
『ボンゴレ最強部隊の本気がみれちゃったりして、前哨戦としては相当有意義だったよね』
前哨戦?その言葉に私は訝しげな顔をする。彼は何を言っているの?それではまるでヴァリアーが退けた大将は、ただの偵察だったような言い方。
『メローネ基地で僕を欺こうと必死に演技する正ちゃんも面白かったな』
いや違う。この人は全てを見抜いていたんだ。
[←][→]