「邪魔をするなっ」
たった一撃でその植物を突き破ったのだ。
(待ってろ、名前。必ずお前を――奪い返す)
◇ ◇ ◇
「ボンゴレが第3防衛区画を突破しました」
綱吉達の様子をコントロールルームで傍観していた入江は、部下からの報告を受けながらも「良いさ」と、落ち着いた様子で画面を見据える。
「想定内だ。防衛区画はこれだけじゃない」
そして手にした装置を動かし、更に基地内の配置を変更。綱吉達を目的の場所へ誘導したのだ。
その間にも、彼らへ仕掛ける攻撃を休める事はない。しかしスパナの手助けもあって、綱吉は全ての攻撃を交わして行く。
「スパナめ。やってくれる。…つくづく僕は惜しい部に裏切られたよ」
その姿に、僅かながら苛立ちを見せる入江。
「だが、ボンゴレについたのは間違いだったな」
けれど入江は装置から手を離し、モニターに映る綱吉達を睨みつけた。
「奴の守護者は既になく、ボンゴレの歌姫も我が手中にある。……そして、最後の舞台は整った」
すると綱吉達の前に、ミルフィオーレの紋章の入った大きな壁が姿を現す。その先こそが、入江の用意した最高の舞台。
「沢田綱吉……お前達を待つのは“最終にして、最強の防衛区画”」
綱吉達を待ち受けているのは――この時代の雲雀恭弥と互角に戦い、なおかつ歌姫の奪取に成功した“最強の剣士”。
最終防衛区画
(白蘭さんの“懐刀”で霧のマーレリング保持者の――“幻騎士”だ)
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