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87.最終防衛区画 **


ニヒルな笑みを湛えたリボーンが小さく呟く。



「んなっ!?へ、変な事言うなよリボーン!!!」

「変な事じゃねーぞ。オレは事実を言ったまでだ。――そんな事より、行くなら急げよ、ツナ」

「どうしたんだよ急に」

「さっきから草壁達と連絡が取れなくなった」



草壁さん達と…!?綱吉は小さく声を洩らす。



「向こうも戦闘中みてーだし、何かの拍子で無線が壊れたって可能性もあるが…。兎に角、草壁達の事はもう少しこっちで調べてみる。だからお前は研究室に向かえ。名前の奪還はそれからだ」

「…分かった」

「ウチも連れてけ」



その声に綱吉は弾かれたように振り返った。声の主は傷だらけのスパナ。

彼は先程まで行われていた死茎隊との戦闘で酷い傷を追っている。まさか、こんな状態で自分に着いて来ると言うのか!?



「でもその傷じゃあっ」

「X BURNER用のコンタクトはデリケート何だ。ウチにしか直せない」

「だ、だけど…」



これ以上スパナを危険な目に合わせる訳には。



「大丈夫。足手纏(まと)いにはならない。それに、ウチもアンタらの歌姫に会ってみたいんだ」

「名前…さんに?」



嬉しそうに頷くスパナに、綱吉は瞳を丸くした。

まさかスパナまでが名前に興味を持っていた何て…驚きだ。それに足手纏いにならないと言っていたが、スパナは一体何をする気なんだろう。




◇ ◇ ◇


その考えは、その後直ぐに明かされる事になる。



「大丈夫か、スパナ」

「問題ない」



超(ハイパー)化し、宙を飛んで目的地に向かう綱吉の後方には、パラシュートのようなものを身体に固定したスパナの姿。

そう。これがスパナの言っていた足手纏いにならない方法だったのだ。

綱吉と自身の身体をロープで繋ぎ、相手に誘導して貰う。これなら綱吉も飛行ができ、移動スピードが遅くなる心配はないと言う訳だ。



「リボーン、研究室はまだか?」

「嗚呼。直線なら直ぐだが、ルートが入り組んでてな。お、そこ左だぞ」



ホログラムのリボーンは綱吉の背に乗り、彼の進む方向を指示している。



「リボーンお前、みんなが…名前が此処に来てる事、知ってたのか」

「知らねーぞ。この時代の雲雀達が名前やランボ達を勝手に連れ出したんだ。オレ達の目を盗んでな…。でなきゃ、オレが許す訳ねーだろ」


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