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81.最強 VS 最強 **


巨大化した球針態を背後に従えたボンゴレ最強の守護者・雲雀恭弥だった。










◇ ◇ ◇


雲雀さんの破壊した壁の向こうで私は信じられない光景を目の当たりにする。剣を振り上げた黒髪の男性と、その男性の足下で全く動かない少年。

予想はしていたのだ。最悪の状況になっているかも知れないと。でも、実際に倒れている仲間の姿をこの目で見ると頭の中が真っ白になって…。



「やま、もと…さん」



私は瞳を見開き、咄嗟に口元を両手で覆った。



「もう一度聞くよ。白い装置はこの先かい?」

「ボンゴレ雲の守護者・雲雀恭弥。そして…」



相手の視線が雲雀さんから私へと移動する。瞬間、まるで獲物を捕らえるかの如く、敵の瞳が細められ、私は息を飲んだ。



「まさか、この場に歌姫を連れて来るとはな。貴様には感謝をせねばならぬようだ、雲雀恭弥」

「…別に君の為に連れて来た訳じゃない。勘違いしないでくれる?…それより、質問の答えを聞いていないよ。……白い装置はこの先かい?」

「貴様の問いに答える必要はない。貴様は此処で終わるのだからな」



相手の左手にはいつの間にか匣兵器が握り締められていた。でもそれよりも驚いたのは彼が指に填(は)めていたリングだ。



(あれはマーレリング)



前に戦った電光のγと同じ。じゃあこの人も!



「我が名は幻騎士。…歌姫、貴様を白蘭様の御前に差し出してくれる」



“6弔花の一人”

それに気付いた時には遅かった。相手は匣に炎を注ぎ込み、開匣。開いた匣から物凄い勢いで霧の炎が飛び出して来る。瞬間、辺りは緑が生い茂り、まるでジャングルのような光景が広がった。



「雲雀さん、これ…」

「嗚呼。どうやら彼は霧の幻術使いのようだね」



私の言葉に頷きつつ、雲雀さんもゆっくりと雲のリングを指に装着する。



「幻騎士と言ったかな?君に個人的な恨みはないけど僕は術士が嫌いでね。這い蹲らせたくなる」



微かに笑みを湛え、リングに炎を灯す雲雀さん。



「雲雀恭弥。貴様がボンゴレ最強という噂は聞いている。それが真かどうか……確かめよう」



次の瞬間、ユラリ。雲雀さんのリングの炎が微かに揺れたように見えた。


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あきゅろす。
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