「…貴女、と…私が?」
「はい。――ですからクローム髑髏さん。宜しければ、また私とお友達になって頂けませんか?」
何時だったか、夢の中で骸さんに教わった事。
(相手が私を知らないのなら、また知り合えば良い。そうでしたよね)
骸さんの言う通りだと思う。だからクロームさんとも先ずはお友達から初めようと思ったの。出会った頃と同じように。
笑顔で右手を差し出す私を、クロームさんは戸惑いながら見つめていた。だけど、暫くして…。
「…う、ん///」
彼女は恥ずかしそうに、でも何処か嬉しそうに私の手を握り返してくれる。その頬は仄かに赤く染まっていて凄く可愛らしい。私は嬉しくなって。
「ありがとうございます、クロームさん♪」
「…ぁ///」
ぎゅうぅ〜…とクロームさんを抱き締めた。
「ああ!!ズルイぞ!名前〜、ランボさんの事もぎゅってするんだもんね」
「イーピンも!!」
そう言って、私の足にしがみついて来るランボ君とイーピンちゃん。私とクロームさんは互いに顔を見合わせ、そして二人でクスリと笑みを零す。
穏やかな時間が流れていた。けれどそれはほんの一時の事。私は直ぐに今の状況を思い出し、背後の雲雀さんを振り返る。
「それで雲雀さん。皆さんを連れ出して、一体何処へ行くのですか?」
こう言っては何だが、相手は子供と怪我人。おまけに力を使った後の私では足手纏いにしかならないだろうに…。一体何処へ行こうと言うのか。
そんな私の問いに雲雀さんはフッと瞳を伏せ、そして驚く事を口にする。
「…それなら簡単だよ。これから君達を……メローネ基地に連れて行く」
メローネ基地。それは今正に、沢田さん達が潜入している敵アジトの事。
(そのメローネ基地に私達を……連れて行く?)
しかも、クロームさんや子供達も一緒に…?その返答に、私はただただ唖然とするしかなかった。
新たなミッション
(分かったのなら急いで向かうよ。――僕には…余り時間がないからね)
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