[携帯モード] [URL送信]
69.霧の真実 ***


「僕の情報なら、もう直君の耳にも入りますよ」




あれは、この事を指していたのだろうか。…否、それよりもこれでやっと彼の居場所が分かる。

その事に安堵し、ホッと息を吐く私だったけれど、次に草壁さんの口から出た“驚愕の事実”に、私は更なる暗闇へと叩き落とされる事になる。





「――今、六道骸は……再び“復讐の牢獄に収監されています”」





一瞬思考が停止した。今彼は何と?……骸さんが再び牢獄に、収監…?私は咄嗟に立ち上がった。拍子にガタリと椅子が倒れ、激しい音が響く。



「どう、して…。どうしてそんな事に――っ」



鼻の奥がツンとする。ゆらゆらと瞳が揺れて今にも泣き出してしまいそうだ。そんな私を見た草壁さんは顔を顰める。



「申し訳ありません。理由はまだ調査中でして、詳しいお答えは出来ないのです。…それに、六道骸に関しての情報はその事だけではありません」



まだ…何かあるの…?



「六道骸が復讐の牢獄に収監されてから直ぐ、妙な噂がたった」

「妙な噂?」

「“骸が倒された”――と言うものです…」



その言葉で、その場の空気が一瞬で凍り付く。



「発信元はミルフィオーレ。倒したのはグロ・キシニア。……お手元のモニターをご覧下さい」



草壁さんに誘導され、目の前のモニターに視線を移す。映し出されたのは眼鏡を掛けた一人の男性。第8部隊隊長グロ・キシニア。数少ないAランクで相当腕の立つ強者。



「考えられるとすれば何者かに憑依した骸と闘ったのでしょう。骸が大きなダメージを負った事も考えられますが、少なくとも死んではいない筈…。…何故ならその後イタリアの空港で、ある男と接触しているクローム髑髏を捕らえたからです」



グロ・キシニアの画像の隣に、もう一枚違う画像が映し出された。後ろ姿の男性と、もう一人は…間違いない。顔を隠しているがクロームさんだ。



「クローム髑髏は骸が牢獄に収監された直後に行方不明になっています」

「…て事は、今回動き出したのは、この密会していた男の方だな」

「流石です、リボーンさん。――その通り。雲雀はこの男が骸の“何か”だと踏んでいます」


私は再びモニターに視線を戻す。骸さんと何ら関わりのある男性。この人は一体何者?私達の知らない人である事は間違いないようだけれど…。



「この男に付いては身元不明の為このまま同行を探りつつ、調査を続けます。…後これとは別に骸の手掛かりとして気にしているモノがもう一つ」


[←][→]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!