(ツナならまだ間に合うんだ。これ以上本気になる前に名前の事を諦めさせれば、9代目と同じ目にあう事はねー)
目を閉じると今でも思い出す。先代歌姫――名前の祖母と別れなければならなかった、あの時の9代目の辛そうな顔を…。だから早い内に名前への想いを断ち切らせてしまえば、ツナにまであんな顔をさせずに済むと、そう思っていたのだ。
――けれど…。
「もう…遅いよ、リボーン…。もう遅いんだ」
綱吉はリボーンの気持ちを読み取ったかのように穏やかに微笑む。それはまるで、全てを受け入れているような……覚悟に満ちた微笑みだった。
遅過ぎた 警告
(名前さんと出会った時点で、彼女への想いを断ち切る事なんて――既に“不可能”なんだよ)
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