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67.遅過ぎた 警告


その日の修行も無事終わり、昼間「話がある」と言ったリボーンさんの言葉通り、私達は食後のダイニングに集められた。

それにしても沢田さんも、獄寺さんも、山本さんも…。皆、今にも眠ってしまいそうな雰囲気だ。彼らが熟している修行の凄さを物語っている。



「初日の修行で疲れてるだろうが我慢しろよ。こう言う話は早めにしておいた方が良いからな」

「ん〜…大、丈夫。オレも訊きたい事あったし」



眠そうに目を擦りながら沢田さんが答える。獄寺さんも山本さんもふぁ〜と欠伸を噛み殺した。



「ツナが訊きたい事の予想はついてる。…恐らく“歌姫”の事だろ?」

「う、ん。お前や10年後の山本も言ってた歌姫の事が知りたい。名前さんの事って言うのは分かるけど、何でミルフィオーレに狙われてるんだよ」



そう言って沢田さんが真っ直ぐにリボーンさんを見据える。対するリボーンさんは一瞬だけ私に視線を移し、それから小さな声で語り始めた。半年前、私や10年後の彼らに話して聞かせた歌姫の話を。そして歌姫が封印している大地の匣の話を。




◇ ◇ ◇


「じゃあミルフィオーレはその大地の匣を手に入れる為に名前さんを?」

「嗚呼。恐らくな」



沢田さんの問い掛けにリボーンさんは大きく頷く。それを見た若い彼らは言葉を詰まらせ、黙り込んでしまった。暫しの沈黙が続き、先ず口を開いたのはリボーンさんだ。



「本来、歌姫は守護者が守るモンだ。――だが、お前達はこの時代の守護者じゃねー…。名前の事を守るか・守らないかは自分達で決めろ」



お前もそれで良いな…リボーンさんが視線で訴えて来る。私は大きく頷いた。元々過去から来た彼らに守って貰おうとは思っていない。寧ろ、私が彼らを守らなければ…!そう思っていた位だ。



「だったら、オレの答えはもう決まってる」



告げたのは……沢田さん。彼は中学生らしい爽やかな笑顔を浮かべて、私に微笑み掛ける。



「オレは名前さんを守るって決めたから…」

「……沢田さん…」

「最初はみんなと過去に帰る為に強くなりたいと思ってた。でも今はそれだけじゃなくて…。大切な貴女を守る為に強くなりたいとそう思ってる」



恥ずかしそうに頬を染めながら、けれど真っ直ぐに私を見つめて沢田さんは宣言する。――刹那、昼間のトレーニングルームでの一件を思い出し、私は頬を紅潮させた。

あれは本当に冗談ではないのだろうか。あの後、直ぐに雲雀さんに連れて行かれて確かめる事は出来なかったけれど…。


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あきゅろす。
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