二人は匣を取り出し、ボンゴレリングに炎を灯す。そして、山本さんが匣を開匣したのを合図に、戦闘が開始された。
山本さんの匣から飛び出したのは雨属性の燕。
その燕は一直線にγさんへと向かって行くが、
「効かねーな」
彼の弾いたビリヤードの玉によって直ぐに撃墜。
「こっちだ!!!」
しかしその隙に背後に回った獄寺さんがフレイムアローを発射!凄まじい炎がγさんを襲う。
けれど、γさんは軽やかに踵(きびす)を返し、マーレリングに炎を収集させ、電磁バリアで獄寺さんの攻撃を防いだ。
「だから効かねーよ」
「へっ、そうかい。――今だ!!!上がれっっ」
ロケットボム!!
獄寺さんの叫び声と共に、辺りに散りばめられた無数のボムが、γさん目掛けて急上昇する。
フレイムアローの攻撃を防いでいたγさんは即座に対応できず…、
ドガガガン!!
ボムは直撃。凄まじい爆発音が辺りに響き渡った。しかし無傷でその爆発から抜け出したγさんは「チッ」と舌打ちを打って地面に降り立つ。
けれど、二人はこの瞬間を待っていたのだ。
タタタタタッ。背後から迫りよる足音…。刀を構えた――山本さんだ!
「成る程、アイデアは良い。だが惜しいな」
しかし余裕の表情を浮かべたγさんは先程とは違う匣を取り出し、炎を注ぎ込む。開匣した匣から飛び出したのは雷狐(エレットロ・ヴォールピ)
「近付けば感電死だ」
「くっ!!」
一瞬、山本さんに戸惑いの色が生まれた。けれど、そんな彼の迷いを打ち消したのは―…、
「突っ込め!山本!!」
獄寺さんだ。その言葉に「嗚呼!」と頷き、γさん目指して一直線に向かって行く山本さん。
「そいつは信頼とは言わねー。無謀ってモンだ」
γさんはフッと笑みを零して、視線だけを獄寺さんに移した。そしてボムをフレイムアローに差し込み、攻撃態勢に入る獄寺さんに向けて、再び電磁バリアで応戦…。
「――嵐の守護者っ、お前の攻撃は効かないって言ってるだろ!!」
「減らず口を!ボンゴレ嘗めんじゃねえぇえっ」
ズガアァアアン!
獄寺さんの武器から赤い…嵐の炎が噴射される。けれどそれは先程γさんを攻撃した炎とは明らかに違う、攻撃力の小さな炎…。――それではγさんのバリアは貫けない!!そう思った瞬間、γさんの纏(まと)った炎が吹き飛ばされたのだ。
「行け!山本おぉお」
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