結局話し合いの結果、京子さんの捜索には沢田さんとラル・ミルチさんが…。ヒバードの捜索には獄寺さんと山本さんが向かう事になった。
そして、私はと言うと?
「ったく、何でてめーまで付いて来んだよっ」
「まあまあ、良いじゃねーか。ヒバードの事、心配だったんスよね♪」
後者である獄寺さん・山本さんと共にヒバードの反応が消えたという並盛神社を訪れていた。
「………」
確かに山本さんの言う通り、ヒバードの事は心配だった。けれど決してそれだけではなくて…。
(胸のざわめきが、どんどん大きくなってる)
アジトを出る前から一向に静まらない心音。寧ろ並盛神社に到着した辺りから更に大きくなっている気がするのだ。一体どうしたというのだろう。
「取り敢えずオレと山本が境内の様子を調べる。てめーは邪魔にならねーよう、適当に隠れてろ」
「で、でも…っ」
「大丈夫っスよ♪オレ達だってラル・ミルチに『戦闘は回避しろ』って言われてるっスからね。無茶な事はしないって」
二人はそう言い残し、境内に向かって駆け出して行く。私は咄嗟に「待って下さい!」と手を伸ばした。――その刹那!
「!!」
二人の頭上に敵が姿を現す。服の色は黒。ミルフィオーレファミリーの『ブラックスペル』だ。
「危ない!」そう思った私は二人の元に駆け寄ろうとした。でも、その必要はなかったらしい。
何故なら二人は直ぐさまリングに炎を灯し、匣を開匣。瞬く間に敵二人を撃破してしまったのだ。
「………」
私はその光景を呆然と見つめた。――まさか、たった一日で此処までリングと匣を扱えるようになる何て…。やはり、この二人は選ばれし『ボンゴレの守護者』なのだ。
驚きの早さで戦闘力を身に付けた二人に私はホッと安堵の溜息を吐いた。
そんな私に気付いた獄寺さんと山本さんが「どうだ」とこちらを振り返る。その得意げな表情に私も笑顔を返し、今度こそ二人の元に駆け寄ろうと、足を踏み出した。
――けれど…、
「ボンゴレの守護者ってのは腰を抜かして方々へ逃げたって聞いたが……、――これまた可愛いのが来たな…」
突然響いた第三者の声に身体が動かなくなる。
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