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58.小さな 不安


突然アジト内に響いた、けたたましい警報音。
私とラル・ミルチさんはその原因を確かめる為に指令室へと足を進める。



「何があった!!??」



二人で指令室に駆け込むとそこには既に沢田さん、リボーンさん、ジャンニーニさんの姿があった。三人はラル・ミルチさんと一緒に入って来た私を見るなり、驚いたように瞳を見開く。



「な、名前さん!?もう大丈夫なんですか!」

「はい。沢山眠りましたから。…私の事より、今の警報音です。一体何があったんですか?」

「う、うん!それが雲雀さんの鳥からSOSがっ」



雲雀さんの鳥って…!



「ヒバードから!!」

「場所はっっ」



ラルさんがジャンニーニさんに問い掛ける。ジャンニーニさんはパソコンのモニターを見ながら、細かく説明を始めた。



「は、はい!!現在、7丁目を時速37キロで移動中。高度下がります!25・20・15…――」


ピー…


「き、消えました!!」



彼の言葉通り、モニターからヒバードの反応が消える。そ、そんな…っ



「消滅した場所には何があるんだ?」

「待って下さい。今出しますんで…!!――出ました、“神社”です!」



モニターに映し出された鳥居のマーク。確かに神社だ。――そこに雲雀さんも居るのだろうか?



「信号が弱まってましたし、単にバッテリーが切れただけかも知れません」



『バッテリー切れ』。本当にそれだけならまだ良い…。――だけど、



「もしくは“敵に打ち落とされた”のかもな」



リボーンさんの言葉に一瞬、肩が震えた。
そうだ。その可能性だって全く無い訳じゃない。だからと言って無闇に救出に向かうのは危険。



「敵の罠かも知れんぞ」



そう。これは私達を誘き出す『相手の罠』なのかも知れないのだから。



(――でも…)



そうと分かっていても、モニターから反応の消えた『ヒバード』の事や、その傍に居るかも知れない『雲雀さん』の事が頭を過ぎって…。私はモニターを見つめながら、グッと拳を握り締めた。



「そんな顔すんな名前」

「リボーン、さん?」

「どっちみち、これは雲雀の唯一の手掛かり何だからな。指を加えてる訳にはいかねーだろ?」


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あきゅろす。
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