突然アジト内に響いた、けたたましい警報音。
私とラル・ミルチさんはその原因を確かめる為に指令室へと足を進める。
「何があった!!??」
二人で指令室に駆け込むとそこには既に沢田さん、リボーンさん、ジャンニーニさんの姿があった。三人はラル・ミルチさんと一緒に入って来た私を見るなり、驚いたように瞳を見開く。
「な、名前さん!?もう大丈夫なんですか!」
「はい。沢山眠りましたから。…私の事より、今の警報音です。一体何があったんですか?」
「う、うん!それが雲雀さんの鳥からSOSがっ」
雲雀さんの鳥って…!
「ヒバードから!!」
「場所はっっ」
ラルさんがジャンニーニさんに問い掛ける。ジャンニーニさんはパソコンのモニターを見ながら、細かく説明を始めた。
「は、はい!!現在、7丁目を時速37キロで移動中。高度下がります!25・20・15…――」
ピー…
「き、消えました!!」
彼の言葉通り、モニターからヒバードの反応が消える。そ、そんな…っ
「消滅した場所には何があるんだ?」
「待って下さい。今出しますんで…!!――出ました、“神社”です!」
モニターに映し出された鳥居のマーク。確かに神社だ。――そこに雲雀さんも居るのだろうか?
「信号が弱まってましたし、単にバッテリーが切れただけかも知れません」
『バッテリー切れ』。本当にそれだけならまだ良い…。――だけど、
「もしくは“敵に打ち落とされた”のかもな」
リボーンさんの言葉に一瞬、肩が震えた。
そうだ。その可能性だって全く無い訳じゃない。だからと言って無闇に救出に向かうのは危険。
「敵の罠かも知れんぞ」
そう。これは私達を誘き出す『相手の罠』なのかも知れないのだから。
(――でも…)
そうと分かっていても、モニターから反応の消えた『ヒバード』の事や、その傍に居るかも知れない『雲雀さん』の事が頭を過ぎって…。私はモニターを見つめながら、グッと拳を握り締めた。
「そんな顔すんな名前」
「リボーン、さん?」
「どっちみち、これは雲雀の唯一の手掛かり何だからな。指を加えてる訳にはいかねーだろ?」
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