[携帯モード] [URL送信]
56.戸惑う 心 ***


「…勘違いすんなよ。別にてめーを守る為に戦う訳じゃねー…。――ただな、女に守られたままだ何て、男のプライドが許さねーんだよっっっ」



オレはそう叫びながら匣に炎を注ぎ込んだ。瞬間、開匣した匣から赤い炎が飛び出し、左手に集中する。渦を巻いて空高く舞い上がったそれは、次第に形を形成してゆき、



「――重っっ」



大量の炎が消え失せたと同時に、武器が姿を現した。その余りの重さに身体が傾いてしまう。



「何だ!?……ドクロ?」



現れた武器のデサインにオレは小さくガッツポーズを決める。イかすぜ!



「アイツっ、匣持ってやがったのか!妙な事されちゃ拙い!!速攻…っ」



――おっと、今は感動してる場合じゃねーな。兎に角、コイツの使い方をマスターしねーと!!
オレは敵から逃れながら、何とかこのイかす武器の使い方を探ってみる。



「どーやって使うんだ!――こうか…っっ」



適当な部分をガチャリと触った瞬間、『弾を食わせろ』と赤い文字が浮び上がった。弾!?オレは銃を使わねーんだ!弾丸なんて持ってねーよ!
今持ってるモンて言えば……これしかねー!オレはダイナマイトを片手に敵を振り返る。



「コイツじゃ駄目か!!」



ダメ元でドクロの口にダイナマイトを押し込み、敵に向かって放ってみる。するとそれが見事的中!赤い炎が発射された。

「出たー」と喜んだのも束の間、炎に包まれた筈の敵は何故か無傷。嘘だろ!?効いてねーのか!!



「へへへ、脅かしやがって――うわぁあ!!」



再び絶体絶命の危機に立たされた…と思ったが、上空に居た筈の敵が落下。ドサリとその場に尻餅を着く。――何だ??



「しゃらくせー!!てめー、炎を吹き飛ばすとはふざけた真似を…っっ」



しかし、炎が消えたのはほんの一瞬。敵は再び襲いかかって来る。



「派手な形(なり)してこれだけかよ!!」



何とか言いやがれ…ガチャガチャガヂャ。さっきよりも乱暴に武器を探ると、再び浮かび上がる赤い文字。今度は『拡散ボム』だって!?…そうか!今のはエネルギーが集束されてなかったのか!



「…つー事は、こうやって口を絞れば――っ」



オレはもう一度ダイナマイトを押し込み敵を振り返った。目前まで迫った奴に武器を構え、


[←][→]

あきゅろす。
無料HPエムペ!