突如、私達の前に現れたミルフィオーレのブラックスペル。
「行くぜっ!ボンゴレリングからマモンチェーンを外せ!!」
山本さんが二人に声を掛け、すぐさま戦闘態勢に入る。けれど、
「じゃあオイラが貰う。手出すなよ、太猿兄貴」
「しっかりやれよ野猿」
彼らより先に敵の一人がリングに炎を灯した。赤い、嵐の炎だ。
そしてリングを匣に差し込み、匣を開匣。武器を取り出す。敵はそれを大きく振り上げ、
「じゃあ行くぜっ、オイラの獲物達!」
ランボ君達を攻撃した。ドーン!…という爆発音と同時にランボ君達が吹き飛ばされる。再び大量の砂煙が舞い上がった。
そして煙の中に浮かぶ人影…。敵はその影へと一直線に向かって行き、
「そこの影!首、頂き」
武器を振り下ろした。
キーン!!
けれど、相手の攻撃は山本さんによって防がれる。突然の乱入者に、一瞬困惑の色を見せる相手。
「兄貴、コイツ誰だ?」
「……ターゲットリストに乗ってたかも知れねーが、消えてく人間を一々覚えちゃねーな…」
「だよな!」
ニヤリと笑みを浮かべ、再び攻撃を仕掛ける相手。しかし、山本さんは全ての攻撃を防いだのだ。
「なんだコイツ!オイラの攻撃をっっ」
「――行くぜ」
山本さんはスッと剣を構えて、リングに炎を灯した。すると刀までが青色の炎を纏(まと)い、
「時雨蒼燕流、八の型…――“篠突く雨”」
相手に懇親の一撃をお見舞した。けれどその攻撃は浅かったらしく、敵は後ろに仰け反る。
「山本さん!」
私はその隙に山本さんの元へと駆け寄った。
「ランボ達は無事か」
「はい。今、沢田さん達とお話をされています」
「そっか。――なら、さっさとアイツらを片付けて、アジトに戻るぜ」
「はい!!!」
私達は同時に顔を上げる。視線の先には、驚いたようにこちらを見つめる二人の人物…。
「兄貴!あの女っ」
「――嗚呼。間違いねー。あの女は……」
ボンゴレの歌姫
名字名前。
「おまけに一緒に居る男は、ボンゴレ雨の守護者…か。――よもや、こんな所で会えるとはな」
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