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54.守護者 探し **


視界の端に心配そうな山本さんの姿が見えた。恐らく、また私が自分の所為だとバカな事を考えているのではないか心配してくれたのだろう。
そんな山本さんに私は笑って見せる。「大丈夫です」と安心させるように。



「まあ、そんな訳で、そいつらを守る為にも先ずは散り散りになった守護者を集める事になったんだが……、最初に欲しい守護者は即戦力。つまり“つえー奴”だ」

「強いって言ったら…」

「そうだ。ボンゴレ10代目・最強の守護者、雲雀恭弥だ」

「そりゃあ、雲雀さんが居てくれたら心強いけど…でも今は何処に?」



沢田さんの問い山本さんはフルリと頭を振った。



「俺も並盛を暫く離れてて守護者のみんなが何処に居るのかは…。でも雲雀の手掛かりは有る」



「これだ」と言って山本さんが取り出した一枚の写真。そこに映っていたのは…ふわふわの小鳥。



「ヒバード!!!」

「そうだぞ。そいつを探すんだ」

「…て、おい!手掛かりってこれだけな訳!?」



沢田さんの鋭い突っ込みが飛ぶ。そうですよね。流石にこれだけじゃあ不安になりますよね。



「雲雀の性格を考えれば、この町を遠く離れるとは思えねー。人一倍、並盛が好きだからな、あいつは…。――だが…」



そこで言葉を途切れさせたリボーンさん。何故か私を見てニヤリと意味深な笑みを浮かべる。



(その並盛を離れて余所で暮らす程、大事なモンが出来てたとはな…)

「???」

「何でもねー。兎に角オレは行けねーが、しっかり連れて帰って来い。代わりに山本が付いてるぞ。こいつはこの時代の戦いを熟知してるからな」

「なーにビビる事はないさ。お前達はこの時代の俺達が失ったすんげー力を持ってんじゃねーか」



山本さんの言葉にハッとする。この時代の彼らになくて、過去の彼らが持っているモノ。それは。



「お前達は希望と共に来てくれたんだ“ボンゴレリング”って言うな」




◇ ◇ ◇


階段を登って地下アジトから出ると、空には真っ青な晴天が広がっていた。その余りの眩しさに一瞬瞳を覆ってしまう。



「取り敢えず並中に行くか」



先頭を行く山本さんを追って、私達も後に続く。6つある入り口の一つは工場の廃墟に繋がっていたらしく、殺伐とした風景が続くばかりだ。


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あきゅろす。
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