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52.ア ジ ト ***


私は声の主を探す。すると確かに居た。ソファーに座っているスーツ姿の小さな男の子。



(こんな子ボンゴレに居たかな?――あれ?でも、この子の来てるスーツ、何処かで見覚えが…)

「ちゃおっス」

「Σ!!!」



ちゃ、ちゃおっス!?

そ、それって……

まさか――っっ





「り、リボーン…」





ええー!!!本当にリボーンさん何ですか!?




◇ ◇ ◇


涙を浮かべて再会を喜ぶ沢田さん。



(あの可愛い赤ちゃんが10年前のリボーンさん)



後ろからその様子を見守る事しか出来ない私。



「抱き締めてー」



でも、次の瞬間。目の前を『白い物体』のようなモノが横切った。
そして、その物体は一直線に沢田さんの後頭部へと向かってゆき、



「こっちよー」



ドス。そのまま直撃。もろに攻撃を受けて沢田さんは「アテテテ」とその場に蹲(うずくま)る。
私の前を横切った『白い物体』。それは、全身白タイツ姿のリボーンさんだったようだ。どうやら此方が本物らしい。


「お前がこの時代の歌姫・名字名前だな。山本から話は聞いてるぞ」



小さくなっても彼の放つ威圧感はそのまま…。下から見上げられているのに、妙に緊張する。



「な、何なんだよっ、このふざけた再会は!!こっちは死ぬ思いでお前を探してたんだぞ!――また変な格好してーっ」

「しょーがねーだろ。この特殊スーツを着てねーと体調最悪なんだ。――あのバリアも俺の為に作らせたんだしな…」



バリア。此処に来る途中に設置されていた『何とかと言う物質を遮る』あの装置の事だろうか。



「そうだ!!可笑しいんだよ、過去に戻れないんだっ」

「それ位分かってるぞ。――可笑しい所はそれだけじゃねーしな…」



リボーンさんの話によると、10年バズーカで打たれた筈なのに、この時代は彼らのいた時代から9年と10ヶ月しか経っていない…。つまり、時間がズレているらしいのだ。



「何でこんな事になっちまってんのか、オレにもさっぱりだ…」

「そんな!!リボーンにも分からない何て…」

「ま、訳分かんない土地に飛ばされなかっただけでも良かったけどな」



リボーンさんの言葉に沢田さんと獄寺さんが首を傾げる。…あれ?私言ってませんでしたっけ?


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