私は声の主を探す。すると確かに居た。ソファーに座っているスーツ姿の小さな男の子。
(こんな子ボンゴレに居たかな?――あれ?でも、この子の来てるスーツ、何処かで見覚えが…)
「ちゃおっス」
「Σ!!!」
ちゃ、ちゃおっス!?
そ、それって……
まさか――っっ
「り、リボーン…」
ええー!!!本当にリボーンさん何ですか!?
◇ ◇ ◇
涙を浮かべて再会を喜ぶ沢田さん。
(あの可愛い赤ちゃんが10年前のリボーンさん)
後ろからその様子を見守る事しか出来ない私。
「抱き締めてー」
でも、次の瞬間。目の前を『白い物体』のようなモノが横切った。
そして、その物体は一直線に沢田さんの後頭部へと向かってゆき、
「こっちよー」
ドス。そのまま直撃。もろに攻撃を受けて沢田さんは「アテテテ」とその場に蹲(うずくま)る。
私の前を横切った『白い物体』。それは、全身白タイツ姿のリボーンさんだったようだ。どうやら此方が本物らしい。
「お前がこの時代の歌姫・名字名前だな。山本から話は聞いてるぞ」
小さくなっても彼の放つ威圧感はそのまま…。下から見上げられているのに、妙に緊張する。
「な、何なんだよっ、このふざけた再会は!!こっちは死ぬ思いでお前を探してたんだぞ!――また変な格好してーっ」
「しょーがねーだろ。この特殊スーツを着てねーと体調最悪なんだ。――あのバリアも俺の為に作らせたんだしな…」
バリア。此処に来る途中に設置されていた『何とかと言う物質を遮る』あの装置の事だろうか。
「そうだ!!可笑しいんだよ、過去に戻れないんだっ」
「それ位分かってるぞ。――可笑しい所はそれだけじゃねーしな…」
リボーンさんの話によると、10年バズーカで打たれた筈なのに、この時代は彼らのいた時代から9年と10ヶ月しか経っていない…。つまり、時間がズレているらしいのだ。
「何でこんな事になっちまってんのか、オレにもさっぱりだ…」
「そんな!!リボーンにも分からない何て…」
「ま、訳分かんない土地に飛ばされなかっただけでも良かったけどな」
リボーンさんの言葉に沢田さんと獄寺さんが首を傾げる。…あれ?私言ってませんでしたっけ?
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