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51.宣戦布告 ***


オレは再び名前さんに視線を戻す。未来のオレも同じ事を感じた?やっぱり、オレ達は何処かで会っているのだろうか。……でも名字名前という名前に覚えはない。一体何処で会ったんだろう。





「やっぱ、ボスと歌姫は何かで繋がってるんだな。時を越えても巡り会う…そんな強い何かでさ」





不意に山本がポツリと何かを呟いた。
でも上手く聞き取れずに「何?」と聞き返せば、彼はフッと瞳を閉じて黙り込んでしまう。



「山本?」

「――いや…」



けれど、直ぐに何時も通りの笑顔を作って、オレの頭に腕を乗せた。



「だからって負けた訳じゃねーからな♪」

「は?」

「こんな状況にならねーと自分の気持ちに気付かないなんて情けねーけどさ。…でも気付いたからには手加減はしないぜ」

「え?なんの話??」

「獄寺、お前もだからな」

「ああん?何言ってやがんだ、てめー」



オレだけじゃなく、獄寺君にまで振られた意味不明な話…。
当の山本は「そっか、今のお前達に言っても意味がないんだったな」と可笑しそうに笑うだけ。



「「………?」」



顔見合わせ、首を傾げるオレと獄寺君…。



「山本さーん、沢田さーん、獄寺さーん。どうかされたんですか?」

「お前達早く歩け!!」

「おっといけね。名前を待たす訳にはいかねーし、ラル・ミルチを怒らせるとおっかねーからな♪――ほら。ツナ、獄寺、俺達も急ごうぜ」

「う、うん!!」

「命令すんじゃねー!」



この時、オレは山本の言った言葉の意味を少しも理解してなかったんだ。


“手加減はしないぜ”


この意味をオレが理解するのは、もう少し先。
オレが――『彼女』の事をどう思っているのか気付いてからの話…。



宣戦布告


(俺も……名前の事が好きみてーだからさ)


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あきゅろす。
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