「バカな!!お前達、ボンゴレリング以外のリングは持っていないな!」
二人は大きく頷く。けれど沢田さんがハッとしたようにポケットを探り、取り出したのは…、
「ランチアさんに貰ったリングっっ!!!」
「そのリングは…っ、何故離さなかった!!」
「弱気じゃねーか。あんな奴三人で掛かれば」
「三人でも倒せる相手じゃないっ――全滅だ!!」
ドスン。ドスン。ストゥラオ・モスカの足音が更に近付いて来る。モスかは、もう目の前だ!!
どうしよう、どうしよう、どうすれば――っ
「アジトまで後僅かの所で――、クソっ」
すると何を思ったのか、ラルさんは岩の上に飛び乗り、ストゥラオ・モスカに立ちはだかった。
「ラルさん!!何をっ」
「オレが時間を稼ぐ!お前達は名前を連れて早く逃げろっっ」
「そ、そんな…っ」
「駄目ですラルさん!!」
「いいから行け!名前は…名前だけは奴らに渡す訳にはいかないんだっ」
モスカの腕が上がり、指先に装備された5本の銃口がキラリと輝く。ピー…とセンサーが作動し、ラルさんを攻撃対象と認識した。撃たれる!
「ラルさあぁあん!!!」
「ばっ、あぶねー!」
「名前さん!!!!」
モスカが攻撃する直前、私は岩陰から飛び出していた。二人の静止も聞かず、彼女の元に走り寄ろうとした、次の瞬間。
キーン…!!!
響いたのは、高い金属のぶつかる音…。同時にモスカの動きが停止する。
(一体何が起こったの)
その場に居る誰もが立ち尽くす中、ラルさんだけが状況を把握していた。
「衝撃波!」
『衝撃波』…彼女の言葉に、私は瞳を見開く。
「鮫衝撃(アタッコディスクアーロ)…。これで1分は稼げる筈だ」
モスカの背後で動いた人影。それは…、
「助っ人登場」
正しくボンゴレ雨の守護者、山本武さんだった。
心強い 仲間
(貴方は何時でも私に元気を与えてくれる…)
[←][→]