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50.心強い 仲間 ***


その名を口にした瞬間、沢田さんの顔から一気に血の気が引いていった。



「――10年後の獄寺君が言ってた名前だ…」

「…はい。だから彼女の話は嘘でもデタラメでもありません。全てが真実。全てが本当の事です」



私がそう告げると、二人は完全に黙り込んでしまう。夢なら良かったのに。私自身、何度そう思った事か。でもこれは夢なんかじゃない。全てが現実に起こっている事…。



「この時代、戦局を左右するのはリングと匣だ。その威力は良く見ただろ?――ミルフィオーレはリングと匣の力でボンゴレをも圧倒した」



そう。私は彼らの力をこの目で見て、この身体で感じた。彼方此方から上がる夥(おびただ)しい炎。人々の叫び声。今でも夢に見る。まるで地獄絵図のようなその光景を。



「……名前…」



カタカタと小刻みに身体を震わせる私をラルさんが心配そうに覗き込もうとした時だった。
不意に彼女が空を見上げる。そして、すぐさま焚き火の火を消火した。



「何やってんだ!!」



不審がる獄寺さんに彼女が告げたのは、



「敵だ!!――奴らは強いっ。見つかったら“終わり”と思えっっ」



最悪の知らせ。




◇ ◇ ◇


私達四人は息を殺して大きな岩の陰に隠れる。
暫くするとドスン、ドスンと重厚な…何かの足音のようなモノが近付いて来るのが分かった。
岩陰から顔覗かせた沢田さんと獄寺さん。彼らは近付いて来たモノの正体を見て驚きの声を上げる。



「あっ!!、アイツはヴァリアーの――」

「ゴーラ・モスカ!!!」

「ストゥラオ・モスカ。ゴーラ・モスカの2世代後の機体だ。――軍はボンゴレ以外にも機密を売ってやがったんだな」



不意にストゥラオ・モスカの足が止まり、辺りを見回すように首を左右に動かし始めた。



「こっち向いたぜ!!」

「大丈夫だ。アイツは内蔵されたセンサーでリングの力を探知し、反応したモノを攻撃する」



だからマモンチェーンによってリングの力を封じられている私達は見つかる心配はない……筈だった。それなのに、



「こっちに来るぞ!!」



何故かストゥラオ・モスカは一直線に私達の方へと向かって来る。



「気付かれた!?」


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あきゅろす。
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