心なしか頬が赤いように見えるのは私の気の所為でしょうか??
◇ ◇ ◇
暫く辺りを見渡した後、少年・獄寺さんが10年後・獄寺さんの残した小さなケースを手にする。
「コレ、10年後のオレが置いてったんスよね」
「う、うん」
「――どれ…」
そして、カチャッと鍵を開け、バサバサ。中身をばらまいてしまった。
「ちょ!!獄寺君、勝手に開けちゃ拙いんじゃっ」
「構いませんよ。どうせオレの何スから!…何だ?この苔むした箱は」
そう言って獄寺さんが手にしたのは間違いなく『匣兵器』…。だけど、あんなに古い型のモノは今まで見た事がない。
「て言うか、10年経っても紙の手紙かよ」
次に彼が手にしたのは一通の手紙だった。カサリと封を開け、中を見た瞬間、ハッと動きを止める獄寺さん。それに気付いた沢田さんと私もそっと手紙を覗き込んだ。
「何これ?絵みたいだけど…?」
「これはG文字だ!!」
「「G文字?」」
「獄寺文字と言って中1の時、授業中にオレが考え出した暗号です!…えっと『しゅ・ご・しゃ・は・しゅう・ごう』」
パキリ。
背後で微かな物音。
それに気付いて後ろを振り返った瞬間。
「――っ!!」
グッと腕を掴まれ、背後から身体を拘束された。口も塞がれ、喋る事も出来ない。まさか…っ
(ミルフィオーレ!!)
そう思い、身体を硬直させる。――だけど、
「やはりな」
聞こえた来たのは、聞き覚えのある声…。私は瞳を見開き、自分を拘束している人物を見上げた。
(――どう、して?どうして“アナタ”が…?)
「……初めまして。そして――“さようなら”」
嵐の守護者 来る
(ラル・ミルチさん!)
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