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47.未来へ… ***


「奴さえ居なければ“白蘭”も、これ程には…」

「びゃく…らん?」



深刻な空気が流れる。
オレは不安で一杯だった。一体、10年後のこの世界。何が起きてんだ?
その時、不意にある事を思い出す。オレが飛ばされた先。そう。今、正に座っている場所…。



「次に念の為にですが」

「あのっ、一つだけ!凄く気になるんですけど…、何で10年後のオレ、此処に居たんですかっ」



二人がヒュッと息を飲むのが分かった。名前さんの顔が見る見る青ざめて行く。そんな顔は…見たくない。見たくないけど…でも知りたかった。



「何で…10年後のオレ、“棺桶”に…?」



彼女の頬を涙が伝う。



「……名前…」

「…分かって、います…。――でも…っ」



必死にそれを堪えようとする名前さん…。
そんな彼女の手を獄寺君がぎゅっと握り締める。
その光景を見た時だ。

チリッと、何かが焼けたような痛みを感じた。さっきまでとは明らかに違う、不快な痛み。繋がれた二人の手を見ると、それが更に大きくなる。



(何だろう、これ…)



痛む胸を押さえて、二人を見つめる。名前さんを気遣いながら、獄寺君が「そ、それは…」と口を動かした刹那――、


ボフン!!


辺りに桃色の煙が立ち込めた。え!ええ!?まさか、まさかこれって――





「10代目!!――…と、誰だ、この女っっ!!!」





煙が晴れ、目の前に現れたのは…オレの良く知る10年前の獄寺君だった。



未来へ…


(何で元の獄寺君が!)


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あきゅろす。
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