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41.封印されし 力


「歌姫の身体に封印された……破壊の力?」

「嗚呼。――別名“大地の匣”と言われている」



聞き覚えのない単語に私は目を丸くする。そんな私とは対照的に周りに居た沢田さん達はリボーンさんの話を聞いた瞬間、サッと顔色を変えた。



「リボーン!匣って……まさか――っっ」

「嗚呼。お前達も良く知ってる匣兵器の事だ」

「!!…何でそんなモンが名前の身体に――っ」



愕然とする沢田さんと獄寺さん。そんな二人の声を聞きながら私は目の前のリボーンさんに問う。



「匣兵器っ…て?」

「これだ」



私の隣に立った山本さんが懐(ふところ)からあるモノを取り出した。それはオルゴールのような正方形の小さな匣(はこ)。



「これが匣兵器?」

「嗚呼。数年前からマフィア同志の抗争なんかで、良くこの匣兵器が用いられるようになったんだ。……まあ、使いこなせるのはほんの一部の人間だけだ何だけどな」

「え?どうして…」


山本さんは手の平に乗った匣兵器を見つめる。そして、強く握り締めた。


「確か名前も知ってるよな?“死ぬ気の炎”。この匣兵器はそれを動力源にするんだ。……つまり死ぬ気の炎を点せねー奴には匣兵器は使えない」



山本さんは匣を持っていない方の手をぎゅっと握り締める。その瞬間、中指に填めていたリングに青色の炎が点った。



「これが俺の死ぬ気の炎…。雨の属性だ」

「雨。守護者の称号と同じなんですね」

「嗚呼。死ぬ気の炎は全部で7つ。俺の持つ雨以外に、ツナの大空・獄寺の嵐・先輩の晴・雲雀の雲・骸の霧・ランボの雷に分類される……だが」



私はゆらゆら揺れる死ぬ気の炎から顔を上げる。



「さっきの小僧の話が本当なら死ぬ気の炎はもう一つ存在する事になる」

「もう一つ?」

「“大地の匣”」



入り口のドアに凭れたままの雲雀さんが小さく呟いた。私は山本さんから雲雀さんへと視線を移し、さっぱり分からないとしきりに首を傾げる。



「匣はね、死ぬ気の炎と同じ7つの種類が存在するんだ。それは同じ属性の炎と匣でなければ開匣できない仕組みになっているから…。つまり赤ん坊の言うように“大地の匣”が存在するなら、その匣を開匣する為の“大地の炎”が必要になる」


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