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39.閉ざされた 道


パーティー終了後、リボーンさんに言われたメンバーを集めて応接室を訪れた私達。……でも、



「「………」」



空気が重いですι原因は一人掛けのソファーに座っている雲と霧のお二方。雲雀さんと骸さんだ。

山本さんの話によると、今回の不審者騒動で酷くご立腹だったお二人。犯人探しも尋常ではない程積極的だったらしく「見つけ出した瞬間、敵を秒殺しそうな勢いだったぜ。アハハ」――との事。

それなのに不審者の正体はリボーンさんのお仲間だと言うアルコバレーノ(※先程自己紹介をして貰いました)の皆さんで、お二人の“ヤる気”はすっかり削がれてしまった、と言う訳だ。

雲雀さんはまだ良いんです。全身から不機嫌ですオーラを放出して、お怒りなのが分かるから。問題は骸さんだ。顔は何時も通りの穏やかな表情なのに………目が、眼が笑っていないんです!

他の皆さんも心なしピリピリしていて何だか居心地が悪い。怒っているのは雲雀さん達だけではないという事なのだろう。



「全員揃ったな。それじゃあ――」

「まさかこのまま話を進める気じゃないよな?」



突然話を始めようとしたリボーンさんに待ったを掛けたのはニッコリ笑顔を浮かべた沢田さんだ。



「勿論、今回の一件に付いてちゃんと俺達に説明してくれるんだろ?」



有無を言わせないその笑顔。普通の人ならかなりのダメージを受けるこの笑顔も、付き合いの長いリボーンさんには無効だ。顔色一つ変えない。



「どうして不審者の真似なんてしたんだよ!俺達を引っかき回してまで…。リボーンだって知ってるだろ!前回の騒動以降、俺達が味方にまで敏感になってるって事はっ」



沢田さんの仰った『前回の騒動』とは、恐らくボンゴレを裏切り、ベスティオーラファミリーに寝返った一部の同胞達に私が捕らえられた、あの一件の事…だと思う。

あの時は骸さんに助けられて大事には至らなかったけれど、もし彼が来てくれなかったら…。今思うと――ゾッとする。



「それを分かって騒動を起こしたのか?どうしてそんな事したんだよ!!」

「そうだぞ、師匠!何故そんな事をする必要があったのだっ!!!」



バンッ。机を叩いて笹川さんも立ち上がる。そんな彼の姿を一瞬だけ視界に納めると、コロネロさんは静かに瞳を閉じた。


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