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36.狙われた 二人 ***


急に足を止めた私を沢田さんが振り返る。私は「何でもありません」と首を振って、再び沢田さんの元へと駆け寄った。

あ、そうだ!沢田さんに訊けば何か分かるかも知れない。パーティーの参加者なら沢田さんが招待して居る筈だもの!!



「あの沢田さん。少しお訊きしたい事があるんですけど宜しいですか?」

「ん?何?」

「実はさっきバルコニーでお見かけした……」



――と、話を続けようとした時だった。強い風が吹いて雲が月を隠す。

辺りは一瞬で闇が広がり、黒が私達を包み込んだ。それと同時に隣を歩いていた沢田さんがピタリと動きを止める。



「沢田、さん?」

「………」



前方をじっと睨み付けたまま、微動だにしない沢田さんを訝しく思い、私も彼の視線を追う。



「……名前…」

「はい?」

「――下がってろ」



そんな私の前に腕を出し、後ろへ下がるように促す沢田さん。尋常ではない彼の様子に、私も戸惑いながら素直に従う。
沢田さんの後ろに隠れ、息を殺して闇を見つめる。……一体、あの闇の向こうに、何が…。

そう思った次の瞬間だった。雲が流れ、月が再び姿を現す。同時に辺りを明るく照らし、私達の目に飛び込んで来たモノ。

それは――。





「……見つけたぞ、ボンゴレ10代目…」





黒いフードを被った、怪しい二人の人物だった。



狙われた 二人


(月明かりに浮かぶ二つの陰…。狙いは俺か?それとも名前か?)


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あきゅろす。
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