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33.幸せの天気予報


ボンゴレのお屋敷に戻った私と雲雀さんを出迎えてくれたのは…。



「お帰り」



何時もと変わらない沢田さんの笑顔だった。

それを見た瞬間、止まっていた筈の涙が再び溢れ出す。両手で顔を覆い、声を押し殺して泣く私に彼はそっと近付き、



「心配させてゴメン。でも、もう大丈夫だから…。もう何処へも行かない…。名前に黙っていなくなったりしないから…。だから――…もう、泣かないでくれ…」



優しく抱き締めてくれた。正真正銘、私の知ってる沢田さんだ。全身を包む強さも、優しさも、温かさも…全部が本物だ。



「名前、あの日の約束……覚えてる?」





『何時もの笑顔で送り出してくれ。そして、その変わらぬ笑顔のまま…俺達を出迎えて……ね?』






私はコクリと頷く。そして、涙を拭って必死に笑顔を作った。顔は涙でぐちゃぐちゃの、それは酷いモノだったけれど、それでも彼らは何も言わずに微笑んでくれた。



「「ただいま、名前」」



お二人からその言葉を聞いた時、嗚呼…本当に戻って来てくれたんだなと嬉しさが込み上げて…。



「――お帰りなさい。沢田さん、雲雀さん…」



最後には、自然と笑う事が出来たんだ。




◇ ◇ ◇


それから数日後。



「笹川さん、あーんして下さい」

「じ、自分で食べると言っているだろうっ///」

「ダメです!笹川さんは両手を怪我されて、箸は疎かスプーンだって使えないんですから!!……分かったなら、あーんして下さい。…あーん♪」

「むむぅ〜///」

「あはは。先輩だけずりーのな。俺も手、怪我すりゃよかったな〜」

「何冗談(じゃないんでしょうけどι)言ってるんですか!!山本氏も早くご飯食べて下さい!」



山本さんも笹川さんも無事に目を覚まし、物凄いスピードで回復されてます。一緒にお世話役に回ったランボ君が「お二人は本当に人間ですか!」…と驚く位だ。心配して居た雲雀さんとの仲も、



『そうか、雲雀も大変だったのだな!!!俺は極限に気にしていないぞ!』

『なあ雲雀、今度又手合わせしねー?負けたまんまじゃ居られねー質みてーだからな、俺♪』


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