これが彼らなりの決意の証。歌姫が居ては何が起きるか分からないのに、それでも彼らは歌姫を…私を迎えてくれるんだ。
「……本当に、………いいん、ですか?」
私は更に涙を流した。両手を握り締め、肩を震わせる。するとその手に二つの手が重なった。私の手を握り締めたのは…。
「良いも悪いも無いだろ。俺達の歌姫は名前一人だけ何だから…」
「期待してるぞボンゴレの…オレ達の“歌姫”」
今まで見た事もないような、優しく、穏やかな笑顔を浮かべた沢田さんとリボーンさんだった。
≪お ま け≫
その夜。私の元には珍しい人から電話が掛かって来た。その相手とは?
「え!お母さん、おばあちゃんがマフィア(ボンゴレ)と関係があったって知ってたの!?」
『勿論、知ってたわよ。お父さんと一緒になる時、おばあちゃんが教えてくれたから♪』
「な、何で私には教えてくれなかったの!!」
『だって〜おばあちゃんに口止めされてたし、それに言っても名前ちゃん絶対に信じなかったでしょう???』
Σう。確かに…。
『今回の事はね、お父さんとお母さん…それと亡くなったおばあちゃんがずっと計画してた事なの。何時か名前ちゃんとボンゴレの方々を引き合わせて、互いに何かを感じ取れるか。もし感じ取れなかったら貴女を後継者にするのは止めましょうって…おばあちゃんが。でも貴女は選んだのよね、ボンゴレの皆さんを』
「お母さん…」
『おばあちゃんもきっと天国で喜んでると思うわ。大好きな名前ちゃんが自分の後を継いでくれたんですもの。だ・か・ら・胸を張って、そっち(イタリア)で頑張るのよ。お父さんもお母さんも応援してるからね♪』
「……うん」
久し振りに触れた母の温もり…。私は不覚にもその優しさに泣いてしまいそうになったんだ。
告げられた 真実
(有難う…お母さん)
[←][→]