「ハハハ。悪い、悪い。名前が元気なさそうだったからさ、励まそうと思っただけだって♪」
「そうですよ。それに、そんな可愛らしい顔で拗ねても…逆効果です」
「!」
「そうそう。もっとからかいたくなるのな〜♪」
「!!」
この二人の冗談は相変わらず心臓に悪い。
「そ、そういえば他の守護者の方はどうされたんですか?沢田さんと獄寺さんは会場内でお見かけしましたけど…///」
「嗚呼。獄寺以外の守護者は全員屋敷の警護にあたってるんだ。俺も含めて、挨拶周りとか苦手な連中ばっかだからな」
ハハハ、と苦笑を浮かべる山本さんの隣で、骸さんはやれやれ…と呆れたように溜息を零す。
「確かにそれもありますが、これだけ多くのマフィアが集結しているんです。用心に越した事はないでしょう…」
成る程。それで沢田さんと獄寺さんしかパーティーに参加してなかったんですね…て、あれ??
そこで、ふとある疑問が頭に浮かんだ。
「リボーンさんは?」
こういうパーティーで大活躍役する凄腕ヒットマンの存在だ。パーティーには出席されていなかったので、皆さんと一緒に屋敷の警護に当たっているのかと思いきや、
「小僧?」
「そういえば今日は見ていませんね」
どうやら違うらしい。
それじゃあリボーンさんは一体何処に…?
ピー…、ピー…。
その時、タイミングよく彼らの無線機が鳴り響いた。すると瞬時に二人の表情が険しくなる。
無線に対応したのは山本さんだ。彼は「悪い」と一言告げて、私に背を向けると、耳に装着していた無線機で誰かと話し始めた。周りを気にしているのか、話し声が全く聞こえてこない。こんなに近くに居るのに…だ。
何かトラブルでもあったのかな。心配そうにその後ろ姿を見つめていると、無線を切った山本さんがこちらに戻って来る。
「悪ぃな、名前。ちっと急用が出来ちまった」
「え?」
「ほんと悪い。後でまた顔見せるから……骸」
「分かっていますよ。……クローム、名前の事は頼みましたよ」
「はい、骸様」
そう言って二人はそそくさと会場を後にする。
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