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ショートストーリー
金色のわんこ[ミロカミュ]
やわらかい毛なみの大きなゴールデンレトリバーが全力でじゃれてくる。
・・・のではなかった。ミロだった。

若干かぶさるように抱きつかれ、しかもスンスンと耳元を匂われている。
「こら!ミロ、やめてくれ・・・・・・」
わたしはそんなに汗をかくほうではないがこんな間近でじゃれられるとはずかしさで汗ばんでしまいそうだ。
ミロからはいつもの香水の香りとかすかな汗の匂いがして一瞬ぼうっとしてしまう。

「オレね、カミュの匂いと体温がすごく安心するんだ」
そういわれてもわたしはむしろ落ちつかないのだが・・・。困っていると
「ごめんカミュ。イヤだった?」
強引なわりにこうやって甘えてくるのでなんとなくそのまま許さざるをえない。いつもミロは甘えるのも上手で何だかんだと付き合いが長いのでわたしの扱いがうまいのだろう。ちょっとイヤな顔をすればすぐやめるし、同じ空間にいてもこういうとき以外はしつこく干渉してこない。まるで暖かい日差しのように心地よいと思う。

少しくらいならいいか、とそのままにしているとミロの右手が背中をなではじめた。無言でにらみつけてやったら、金色のしっぽがしゅんとしたのが見えた気がした。



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