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★○ハッピーバースデーver2013.6.4(柳)



「今、蓮二が欲しがってる物とか知らない?参考書とか。」

「誕生日に参考書プレゼントするの?親じゃないんだからさ。俺なら渡されたその場で真っ二つに引きちぎっちゃうよ。」

「幸村なら出来るよ、こわい。」

「そんなお堅い面白くもなんともない物やめた方がいいよ。」

「でも蓮二って何あげたら喜ぶか全然分かんない。」

「なんで?」

「頭が回るから下手な事出来ないし、喜んでもらえないと嫌だし…」

「だってさ、真田。なんかいい案出したげてよ。」

「む?特に難しく考える事もなかろう。恋人から祝って貰えるだけでも喜ぶと思「真田のくせにいい事言うなよ。俺はそんな真田求めてない!」

「俺に振っておきながら何なんだお前は…」

「癪だけど真田が言ってる事はあながち間違いじゃないよ。柳は普段難しい事考えてるけど案外単純なんだ。」

「う〜ん…」

「だからわりと『ベタ』な事を喜んだりするよ。ふふ。」

「そうかなあ?」

「試してごらんよ。俺達が言うんだからさ。」

「…うん、分かった。ありがとう!」

そうアドバイスを受けて一番に思い浮かんだ『ベタ』なプレゼントはあまり得意分野じゃなかった。

けど、他に思い付かないし苦手分野を克服するいい機会だと決意して材料を買いにお店に走った。





「(やっぱり想像したように上手くいかなかった…)」

綺麗なラッピングの外装とは裏腹に中身は不恰好な白い塊。

何度も作ったけれどそう簡単に上手く作れる物じゃなかったらしく、なんとか形になった不納得のプレゼントを持ってくるしかなかった。

「(こんなの渡して蓮二はどんな顔するか…)」

「…なまえ。」

「−ビクッ!」

「遅れてすまない。それで用事とはなんだ?」

「あ、あの…えっと…」

「ん?」

納得のいく物じゃないから余計に渡しづらい。

どう反応するかも想像がつかないから尚更(幸村なら笑顔で握り潰す気がする)

「お、お誕生日おめでとうっ。」

「!…ああ、ありがとう。それを伝える為にわざわざ呼び出したのか。」

「それもあるけど…その…」

「……ひょっとして後ろ手に持っている物は俺に関係するものか?」

「っ!」

こーゆー時誤魔化そうとしても勘の鋭い相手だと難しいことは分かってる。それを私に教えたのは他でもない蓮二だからして誤魔化せるはずがない。

「期待させてもらっても?」

「…はあ…期待はしないで下さい…」

おずおずと不納得のプレゼントを差し出せば笑顔で受け取ってくれた蓮二。

箱を開ける音がして中身を見たらその笑顔がどう変わるのかこわくて目を閉じて俯いた。

「…これは……」

「(うわあ、聞きたくない…!)」

「………」

「………?」

言葉を紡がなくなった蓮二にショックで言葉が出ないのかと恐る恐る顔を上げれば箱から目を背けて片手で口元を押さえていた。

「(吐き気を催すほど酷かった!?)」

完成度が低いことは分かっていたけど、そこまでショックを与える出来ではないと思っていたのに…

「や、やっぱり返し「すまない。その…」

「え?」

顔を背けたままの蓮二を見つめると隠れていない頬と耳が少しずつ赤く染まっていく。

「みっともない姿を見せているのは分かっているんだが、」





口の緩みが収まらないようだ…

(柳の手作りケーキに対する反応はどうだった?)

(予想外に喜んでくれてこっちまで照れちゃった…)

(だろ?俺的にはリボン巻いて私がプレゼント!くらいやって欲しかったけどね。)

(それはさすがに無理です!)






柳ハッピーバースデー!
参謀のポーカーフェイス崩してやり隊!


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あきゅろす。
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