Before 10years 彼には立派なトレジャーハンターになる。という夢があった。 いままで父親と一緒に遺跡もぐりとかしてきたが、 尻を追いかけてばかりで、見よう見真似で魔獣とダガーで戦ったり罠を解除したりで。何ひとつ一人で死線をくぐりぬけたことがなかった。 これじゃ、トレジャーハンターとはいえない。 自分の背中は自分で守る。 危険な場所におもむくにはそれが出来なければ死だ。 ロックは得意の瞬発力や素早さを更に鍛えあげ、魔獣を倒した後から使えそうな物を物色するのではなく。 その成果。瞬時に、戦わざずして貴重な物を盗みとる。という業を身につけたのであった。 「西の森で遺跡が現れたんだって。でもさ、今迄見つけられなかっただけだぜ。」 「でも不気味ね…そんな場所いかない方が…」 ロックはブーツに履き替えながら意地を張る。 「い・や・だ・ね!トレジャーハンターここで退いたら永遠に名が廃るね、きっと!!!」 レイチェルは 希望に満ちた瞳の少年に。それを壊すような言葉は口にはいえなかった…。 「こんなに早くチャンスが回ってくるなんて思わなかったぜ!!これを制覇すれば…俺も一人前のトレジャーハンタになるんだ!!!」 『ロックの気持ちも分かるけど…。』 危険な事に足をつっこんでばかりの彼だが、心配する身にもなって欲しい。 と、レイチェルは溜息をついた。 一方、遺跡に着いたロックは… 「…魔大戦の跡地かな…?なんか変な文字…よめない。」 「なーんか不思議な機械がいっぱいだ。転移装置っぽい。動くかな。」 ロックは機械にチョップを入れてみた。 「………… 「動くはず。ないか。」 がっくり。でも遺跡の中は見たことない物だらけで、瞳を輝かせてガサガサとロックは物色し はじめた。 「おたから〜。おたから〜。なにか金目になるような物はないかな〜」 バッタバッタンと宝箱を乱暴にひっくり返えす。 「…あれ?からっぽ…」 「そもそも、宝箱に入ってる物だけが、宝じゃない!まあ…ゲームではたいていはそうなんだけど。」 気を取り直して。再び遺跡の中を歩きまわる。 遠くでなにか装置みたいな機械にまぶしい光を放った円球のものがある。 「あれ…なんだろう…?5つもあるから一つくらいもらっていっても良いよな…。」 ロックは装置から円球を外すと。 とっても満足そうな笑顔をうかべた。今日からオレも一人前のトレジャーハンターとして。堂々とした顔で名乗れる!!今日は親父とばあちゃんとお祝いにおいしいモノを作ってもらおう。そんな嬉しさでいっぱいだった。 ―しかし― それは、ぶじに生還出来るまではの話。 それがトレジャーハンターという職業に身を置く者の非常なる掟のようなものだ。 円球を外したせいでゴーレムのような石造が動き出し、ロックに向かって襲い掛かってきた。 「…まッ…マジかよッ!!!」 「ガオォオオオオーーーッッ!!!」 「くそッ…強い」 ロックはゴーレムの振り上げる拳をひらッっとよけながら焦りがみえる。 ドコンッ!とゴーレムパンチが石壁や石柱に直撃する。…ばらばら…石がこなごなになった。 |