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お風呂どうしますか?



「お粗末さまでした。」

「いやいや、飯ありがとな安藤!」



私たちは夕飯を終えた後、他愛のない話をした。
もちろん、この時代の話もした。
質問されたものを質問で返したりしたのもあったが、改めて自分の時代は楽になったんだと思い知らされた。
でも、こんな楽な物がなくても竹谷くんは今まで生きてきた。それは、とても凄い事なんじゃないかと思った。



「あっ、そうそう。」

「どうした?」

「お風呂どうしますか?」

「あー、風呂か。でも、着替えないしな。」



そう言って、竹谷くんは少し汗などで汚れている忍装束を見る。ここに飛ばされてくる前、あっちでも雷雨があったらしく生き物の係りとやらで守っていたとかなんとか。



「着替えなら、お父さんのならあるから大丈夫。」

「え、良いのか?」

「洗えば大丈夫だもの。」

「そこまで言うなら、入らせてもらいます。」

「…ぷっくくっ。」



あんまり真面目に言うものだから、思わず笑ってしまった。竹谷くんはそんな私を見て、「ここは笑う所じゃねえっ」と言った。
そんな竹谷くんを「まぁ良いから」と落ち着かせながら、お風呂場に移動した。





「しゃわーって凄いな!」



今竹谷くんは、シャワーに夢中である。水が勢い良く流れ、お湯も出ると言うのが凄いらしく目がキラキラと輝いている。



「じゃー、シャワーの使い方は分かった?」

「おう!」

「次は、この髪を洗う液体石鹸だけど……」

「おっ、それシャンプーじゃん!」

「へ?」



今度は、私が驚く番だった。竹谷くんの時代には無いはずのシャンプーを知っていたのだ。しかも、発音もシャワーと違って完璧だった。
おまけに、「うおっ、リンスまである。」っと何だか嬉しそうな嫌そうな顔をしながら言った。



「それじゃ、入ってて良いから!」

「分かった。じゃ、着替え頼むなっ!」



そんなこんなで、竹谷くんはお風呂に入り私は両親の寝室からお父さんのパジャマを持ってきた。





リビングで待っていると、しばらくして竹谷くんがお風呂からあがってきた。
くせっ毛のある長い髪をたらし、お父さんのパジャマがやはり大きいが、良い感じのだぼだぼズボンで何故か腰パン。そして、前がはだけていて胸板と腹筋がちらちら見える格好でこっちに向かって来た。
父以外上半裸はめったに見た事がなかった私は、あんまり見ないようにした。



「じ、じゃあ私、入ってきますねっ!」

「!?おっ、…おう!(あれ、俺なんかしたか?)」



少し強引過ぎただろうか、竹谷くんは私のいきなりの行動に驚いていたようだ。
でも、私はやはり竹谷くんの上半身が目に入ってきてしまうので仕方がないと言えば仕方がない。うん、きっとそう!
…あ、もしや毎晩あのお姿を見てしまうのではっっ!?は、恥ずかしい!!!ちょっ、もうのぼせてきた!



「だ、大丈夫か?」

「へ?何がですか…?」

「だって、お前顔真っ赤…」

「へっ?あっ、ちょっそのっっ」

「?」

「ああぁああぁちょ、もういやその来ちゃ駄目ぇえええっっっ」

「(ガーン…)」


あきゅろす。
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