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外の世界



天気は、晴れ。
綺麗な夏空と白い雲があり、太陽がぎらぎらと照らしている。

竹谷はというと、余りにも家と外の暑さに温度差がありすぎて直ぐに汗をかいてしまった。踏みつける足は、砂利ではなくきっちり造られた“ コンクリート ”だった。
反対に亜由美は慣れているのか、暑さに耐えながら竹谷の前を歩く。道が分からない竹谷は、三毛猫を抱きかかえながら亜由美の後ろを付いていくしかなかった。



「なぁ、何処まで行くんだ?」

「え?…あっ、公園に行こうかと。」



亜由美は、振り返り竹谷に言う。
だが、竹谷は“ 公園 ”というものを知らなかった。それが顔に出たのか、亜由美は慌てて“ 公園 ”というものを教えた。



「…簡単に言うと、『自由に遊んでも良い場所』かしら?」

「は?遊んでも良い場所?この辺りじゃ無理なのか?」

「うん。ここは道を舗装して主に自動車がちゃんと通れるようにした“ 道路 ”だから、ここで遊ぶと危険なんですよ。」

「そうなのか。」



大変なんだな…


俺は安藤から聞いた時、そう思った。
だって、俺の所はそんな“ 自動車 ”とか道はあっても“ 道路 ”はない。それに、そんな事の為に遊べる場所をそこだけと決めつける事なんてない。

ここ、田んぼないなぁー…





「ここが公園。」

「おっ、やっと着いたか。」



暑い暑いと言いながら、竹谷は早速公園に足を踏み入れる。
亜由美も竹谷の後に続いて、公園に入った。
昼を過ぎているので、子ども達は多い。だが、この暑さのせいか多少はプールに行っている子ども達もいるだろう。噴水を見てみると、幾人かの子どもは水面に顔を突っ込んだり手足を入れたりしていた。皆、濡れるのが気持ちよくてバシャバシャと水を弾かせる。
そんな光景を竹谷と亜由美は、笑いながら三毛猫の飼い主を探し始めた。



「なぁ、この子知ってるか?」

「えー?」

「かわいい!」

「ねこさんだぁ!!」



スタスタと三毛猫を抱きながら歩く竹谷の方向は、大人ではなくて遊びに夢中な子どもたちの方へ行った。
竹谷は気にせずに、子ども達に三毛猫の飼い主を見せながら言う。



「この辺で、この子見たことないんだな?」

「かわいいけど。」

「しらなーい。」

「みないねこだよ!!」

「そうかぁ、教えてくれてありがとうなっ!」



ニカッと素敵な笑顔を、子どもたちに向けた。子どもの相手が得意なのだろうか、やけに扱い方が上手だった。私は、竹谷くんに子ども達を任せ私は大人たちに聞いていた。
だが、子ども達と同じく答えは「知らない」だった。


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