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準備



早速竹谷くんに、先ほど私が買ってきた竹谷くんの服を袋から出し竹谷くんに渡した。そして、お礼を言いながら服を受け取り、リビングの隣の部屋で着替えてもらった。



「うっわぁーっ!!」



竹谷くんが隣の部屋で着替えをしてもらって、約5分。
着替え終わった竹谷くんが、隣の部屋から出てきたのだ。私は、竹谷くんの現代服を着た姿に感動して声を上げた。



「お、俺、そんなに変か?」

「ぜっ、全然!」

「え、じゃなんでその俺を見た第一声は何?」



やはり、先ほどの私の第一声が気に入らなかったのかムッとした顔をしながら私に言った。私は、その質問に素直に答えた。



「…だって。」

「だ、だって?」

「すっごい似合ってるんだもんっ。」

「ちょっ、待てっ。似合ってるって、もんって!」



竹谷くんは、私の答えにたじたじだった。私は変な事を答えたつもりはないのだが、竹谷くんは色んな顔をしていた。所謂、百面相をしていた。そして、少し赤かった気がしたのは気のせいかもしれない。私は、それがおかしくて笑いながら、竹谷くんが現代服を着る前の私の想像をついでに言ってみた。



「竹谷くんなら何着ても大丈夫だと思ってたんですけど。」

「んぁ…?」

「予想外でしたっ!」

「なっ!!!」

「今はまだ、最低限必要な服だけしか買っていませんけど。これから色々な服用意しますから楽しみにして下さい!」

「は?」



竹谷は、亜由美の話のテンポについていけずにいた。それをおかまいなしに、亜由美は早速行きましょうと言わんばかりに玄関に行こうとしている。
亜由美は、「三毛さんも。」と言い三毛猫を抱いた。



「竹谷くん!」

「……あ、何だ?」

「さっ、行きましょうっ。」



「ああ。」



間を置いてから、竹谷は頷いた。

竹谷は思う。
安藤がいれば、いつか帰れる。
そのいつかが来るまで、自分は安藤と楽しく過ごさせてもらおう。厄介者だけど、安藤だったら受け入れてくれるかもしれないと思った。


ガチャリと玄関のドアが開いた。ドアが開くと同時に、竹谷が窓から見えた太陽の日差しが亜由美と三毛猫と竹谷を飲み込んでいった。


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