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どこの猫?



「ただいまー。」



安藤は、昼前に帰ってきた。
沢山の買い物袋を両手に持って、居間までやってきた。安藤の顔を見ると、やはり外は暑かったのか汗が出ている。



「安藤、お帰り。水持ってくるか?」

「ただいま。うん、お願いします。」

「おう。」



俺は、三毛を片手に台所に行った。そして、安藤に水を渡して休ませた。また、三毛と遊んでいると安藤が声をかけてきた。



「あ、の…、その猫ちゃんどうしたんですか?」

「こいつ、庭にいてさ。窓開けたら入ってきたんだ。」

「そうなんですか。んー…、近所のペットではないですね。」

「ぺっとぉ?」

「はい。ペットと言うのは、人間に飼われている生き物の事です。」

「へー。じゃ、こいつは野良か?」

「断定はできませんけど、首輪がないのでそうかなと。」

「首輪があると、飼われているのか?」

「だいたいは着けて飼っている人はいます。」

「ふーん。」



俺は三毛を抱き直した。安藤は、一息ついたのか昼飯を作ると言って台所の方へ行った。その前に安藤に言われたのが、



「じゃあ噛まれたり引っかかれたりされないように、気をつけて下さいね。」

「え?何でだ?」

「何でって…。猫や犬は、何かと病気を持っているんです。野良だったら尚更気をつけないと、人間にも感染してしまうんですよ。」

「はぁ〜。」

「だから、気をつけて下さいね。」

「おぅ。(何だか…)」



安藤って、善法寺先輩に似てる気がする。俺、毒虫や毒蛇とか危ない奴扱ってるけどちゃんと気をつけてるからそこは大丈夫なはずなんだけど。
まぁ、ここは安藤の時代だからな。病気だって変化するよな。


「竹谷くーん、できたよー。」

「おー、今行くー。」

「……猫ちゃんは置いてきてね。」

「えー、いいじゃん。」

「置いてきてね。」

「…お、おぅ。」



俺たちは、昼飯を食いながら三毛について話合った。
野良と断定出来ないし、この辺の猫でもないという事らしいので、俺の初外出も兼ねて三毛の飼い主を探してみようという事になった。


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