王女様は大忙し
【ヒロインと親友の簡単な設定】
@ヒロイン
名前…リオ
容姿…つり目がちの瞳にサイドだけ長いショートカットの髪型。長身(163〜168cmくらい)でやや筋肉質ながら着痩せする方で女性らしい丸みはありモデル体型。パンツスタイルが多い。
性格…勝ち気で姐御肌。一人称は僕。
@親友
名前…ルナ
容姿…大きく猫のような瞳に膝下まである長い髪が特徴。細身の体型で平均的な身長(153〜158cmくらい)。スカートスタイルが多い。
性格…元気でやや天然。一人称は私。
毎朝の日課と言っても過言ではないだろう、その姿。
皆の視線を集める颯爽と歩くはこの国の近衛隊長。
向う先は自身がひざまづく対象である主の所。
「ショウ・イザース、参りました。」
片膝をついて恭しく言えば、近衛隊長ことショウの主はプクっと膨れて見せた。
ここで子供っぽい等と思っても口にしてはいけない。
「もう! 私が呼んだ時はそんな態度をしなくて良いって言ってるじゃない。」
これも日課のようにやり取りがされている言葉である故に周りの者は飽きないのかと聞きたくなるのを抑えるのが日課になりつつある。
「まあまあ、抑えて、王女でしょ?」
だが、今日は違った。
王女であるルナにタメ口をきく事が許されている唯一の女性、リオが来ていたからだ。
「いらっしゃったのですか…。」
ひょっこりと現れたリオに普段はあまり表情をくずさないショウも驚きを見せた。
「うん。僕も忙しい身だけど、たまには遊びに来ないと拗ねちゃうからね〜。」
一人称は僕だが、決して荒っぽさはなく、それどころか中性的な雰囲気に合っていてとてもカッコイイ、綺麗な女性と言えるだろう。
「誰が拗ねるのよぅ!」
対照的なルナとは良い相性なのだろうか、もう軽口を言い合って笑っている。
(あぁ…いけないな。)
自分の主と彼女を見ているといやがおうでもしらしめられる、自分の心に。
精一杯に睨みつけた恋心のはずが。
負けそうになる、うんと首を縦に振ってしまいそうになる。
自分の身分では相応しくない、高嶺の花であるリオに恋情を抱いているのだと。
(いや、俺が忠誠を誓ったのはルナ様、ただ一人。)
やっとの思いで首を横に振るが、それがいつまでもつのか…。
そんなショウを横目でチラッと見てルナは思う。
(言っちゃえば良いのに、硬いなぁ。)
そう、ルナだけはショウの想いに気付いているのだ。
わざわざ友人が来る時に呼び出すのも、そのため。
(両想いなのに長引きそうだな…。)
同じく自分と話しながらもショウを気にしているリオを見て、女王様は一人苦笑した。
END.
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