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more and more …… スザルル, 最期へのカウントダウン










際限無い欲望を受け止めてルルーシュが声もなく仰け反る。
腰に回されていた脚が力なく崩れシーツへと落ちた。
赤く熟れて濡れた唇を戦慄かせて。
身を捩る、汗で手に吸い付くすべらかな肌に指を食い込ませる程に強く抑え付けて劣情を注ぐ。
思考を焼き切る感覚に奥歯を強く噛んで。
強く抱き締めた、撓る背中のラインがまた細くなった。
浮き上がった肋骨、青白くさえ思える病的な雪花石膏の肌。
その身体に執着の花弁が乱れ散る。
自分の醜悪な感情の数だけルルーシュの体に咲く花。
互いの体液で肌触りの悪くなった乱れたシーツに新しい皺をまた刻む。
その全てが痛々しくも凄絶で魅了して止まない。
悪逆皇帝の仮面を捨てたルルーシュはこんなにも、儚く頼りなく見えるのに。
限界まで詰め込まれたスケジュールと過剰なストレスに殆ど眠れていない事を知ってる。
食事もまともに摂れていない。
当たり前だ。
常人ならば押し潰されてしまうだろう世界の憎しみを一身に浴びているのだから。
なのに。
それでも前へ進む事をなし得る強靭な意志。
ただそれだけがルルーシュを生かし、………殺す。



際限なく求めてしまう俺を受け入れる身体と心が深すぎて恐怖さえ感じる。
どんなに求めても全てを手に入れる事は出来ないもどかしさに狂いそうになる。
涙に濡れて歪んだ瞳が慈悲さえ湛えて優雅に微笑むルルーシュに耐えられなくて、
折れそうに華奢な膝裏に手を入れ乱暴に肩に担いで結合を深めた。
衝撃に目を見開いて、感覚について来れないルルーシュの唇を塞ぐ。
苦しさに眉を顰めながらも応え差し出される舌を吸い上げて柔らかく熱い粘膜を尚も貪る。
それの蜜は、罪の甘さと罰の苦さを伴って脳を侵す。


どんなに求めても一つになれない。
違う存在だからこそ感じられる執着。
求める心は人類全ての希望。



縋って触れられるルルーシュの指先が、それだけが俺の意識を繋ぎ止める。
逃げてしまいたい現実へと縛り付け、留める鎖の呪縛とギアスの呪い。
それはルルーシュが唯一、俺に求めたもの。



大切に慈しむような愛し方が出来ない。
こんな、お互いを傷付ける様な関係しか。
薄い胸に手を這わせれば確かに脈打つ鼓動。
近い未来に俺が奪う、それ。
今、この腕の中にある存在が過去になる明日。
過去を求めたり、今を求めるなんて俺には理解出来ない。
するつもりもない。


俺達は、明日を求める。
それは変わらない。
変われない。
変えてはならない。


俺に求める権利はない事も。
それが罰なのだとという事も。
俺に与えられた希望の可能性である事も。
ルルーシュの残酷な優しさである事を。


分かってる。


それでも!



それでも、俺は。


ルルーシュとの明日が欲しい。


ルルーシュの全てが欲しい。








もっと。


もっと。




ずっと。





「スザク……泣いてるのか?」

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