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少年少女よ、  大志を抱け。さすれば願いは少なからずと叶うだろう。



 跳び跳ねながら起きた青い髪の少年。


 その様子がおかしくて思わず笑ってしまった。


 「あははははははははっ」


 少年の首に触れたアイスをお盆に戻して少年の顔を除き込んだ。


 「はははっ。あー、面白かったぁ。どう?目ぇ覚めた?」


 驚いたような少年の表情に再び笑いそうになるがそれは堪えた。


 少年の瞳の色は青だった。


 やっと見れたその瞳は澄んでいて、順粋そうにも見えた。


 まぁバカってことだけど。


 「って、お前誰だよっ」


 驚いた表情は一瞬にして赤く染まるがそれをごまかすように怒鳴られた。


 「わたし?私は。君は?」


 はい、と少年に先程のアイスを手渡した。


 「あ?俺はホロホロ。なんだよ、これ」


 これ、といわれたのは渡したアイス。


 「見ての通りアイスだけど」


 お盆から自分のアイスを取り、袋を開ける。


 「いや、それはわかるって。なんでアイスなんだよ」


 手渡されたきりそれを開けようとしない青い髪の少年基、ホロホロ。


 「だって少年、こんな暑い中寝てるんだもん。見てるこっちが暑くて」


 袋から出てきたソーダ味の棒アイス。


 少し溶けたアイスの先っちょを舐める。


 「ふーん。おめぇ変なやつだな」


 私と同じアイスの袋を開け、同じ青色のアイスを取り出した。


 「変なやつねぇ、・・・まぁ確かに」


 見知らぬ人間、しかも真夏の公園で、いくら屋根の下でといっても、寝ているやつにアイスをあげるなど変なやつに限りないだろう。


 「まぁ、サンキューな」


 ニカッと気持ちよく笑ったホロホロはアイスをひとかじりした。


 人懐っこい笑みを浮かべる少年を見ながらふと思う。


 この少年、実は人間嫌いではないかと。


少年少女よ、
  大志を抱け。
さすれば願いは少なからずと叶うだろう。



少女の願いはなんなのだろうか・・・。



fin



090711 執筆
090712 更新 哀



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