繋ぎ、繋ぐ物語
17
偵察として桜姫が陸奥へ向かっているとき、一報が奥州、伊達の元へ届いた。
「政宗様!!織田と浅井が同盟を結んだもよう。織田の妹、市が浅井に嫁ぐとのこと」
動かない戦乱の世にしびれを切らしたのか、それとも本格的な天下統一へ動き出すのか。どちらにしても、久しい穏やかな戦乱の世が続いた戦国時代は織田の動きによって終わりを告げた。
「騒がしくなるな」
北の制圧、織田の動きによって動き出す各国。一気に国が動き出す。
「いかがなさいますか?」
「ok、浅井へ偵察に向かえ。それと、・・・浪」
「ここに」
政宗の呼び掛けにより天井裏から黒い装束を纏う忍が降り立った。
「部下をつれて各国の様子を見てこい」
「御意に」
さっと二つの影は消えた。
「お前の方は大丈夫なのか」
頭に浮かぶのは1つ。陸奥へ向かった桜姫のことだけだった。
陸奥は未だ統一されていない。弱小な武家がそれぞれを治めている不安定な形だ。そんなところを通るのは桜姫にとっては容易いこと。1日と経たずに問題の武家へと辿り着いていた。
通ってきた村々に住む民は酷く怯えている様子だった。
「最悪、だな」
己の主が見れば怒り(いかり)出すことだろう。その様子が簡単に思い浮かべることができる 。
「これは早く手を打った方が良さそうね」
民の姿を少しだけ見てそう悟った桜姫は念入りに武家が治めている地と、屋敷を探り、
来たときよりも速く帰っていった。先に鷹に報告書を持たして。
fin
090501 執筆
090507 更新 哀
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